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『芥川龍之介 人と文学』感想と台湾・中国・香港での芥川龍之介人気。台湾で人気の日本人作家とは

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こんにちは! ことぶく(@kotobukujp )です。

海老井英次が描いた評伝『芥川龍之介 人と文学 (日本の作家100人)』を読みました。

ことぶく
芥川龍之介の生涯を追いながら、いくつかの作品を論じた簡潔で読みやすい評伝です。
屋根の上で本を読む女性の写真画像

芥川龍之介を自殺に追い込んだ時代的背景

なぜ芥川が自死に追い込まれていったのかというところはかなり詳しく描かれています。

芥川の作品は教科書に載っていますし、今では文学の王道と捉えられています。

しかし大正末期から昭和初年はプロレタリア文学全盛の時代で、芥川などはブルジョア作家と見なされ、時代遅れと思われていて、芥川もそれを自覚し絶望していたようです。

師の夏目漱石のようなビルドゥングス・ロマン的長編を書き得なかった芥川ですが、『河童』のようなSF的社会風刺の路線を推し進めて行けば、ジョージ・オーウェルの『1984』のような世界小説が描けたのかもしれません。早逝が本当に残念です。


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台湾・中国・香港で人気の芥川龍之介

現在、芥川龍之介は台湾や中国、台湾でも人気があって、日本文学の代表と見なされています。

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台湾・中国の大学院で芥川龍之介の文学を研究課題に選ぶ学生も多く、国際的な芥川龍之介学会もいろいろあるようです。

また、『藪の中』を原作とした黒澤明の『羅生門』を見た人も多く、その映画のほうが有名なため日本人が「真相は藪の中」ということわざをを中国語では「真相は羅生門」みたいな使い方をします。

羅生門(luó shēng mén:ルォシェンメン)=藪の中(例:真相は「藪の中」)

台湾で人気のある日本人作家

ほかに人気の日本作家として、村上春樹やよしもとばなな等は別格として、夏目漱石、東野圭吾、三島由紀夫とかです。

最近、谷崎潤一郎『細雪』の翻訳が出たのでちょっと読んでみましたが、『細雪』は翻訳してしまうと、文章の何とも言えない調子が消えてしまうようで、魅力がかなり減ってしまうように感じました。

その点、村上春樹は中国語に翻訳してもやはり村上春樹の調子を保っていたので、これが世界で受ける要因の一つであるのかもと思います。

ところで、『1Q84』は完結したみたいになってますが、本当に完結したんでしょうか。もし完結したなら何ともスッキリしない感じです。

Book3は出版されてすぐ日本の友だちが台湾に旅行に来るので買ってきてもらって読んだのですが、もうあまり覚えていません。ウヤムヤに終わるなら、Book2で終わりでも良かったのではと思います。

ライトノベルもすぐに中国語に翻訳され、若い世代に人気

いわゆるライトノベルも「軽小説」とそのまま直訳されて人気です。西尾維新等の人気作家の作品はすぐに翻訳されます。

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ライトノベルは独特の言い回しや、おかしな擬音・効果音が多いのですが、うまく中国語に訳すもんだといつも感心します。







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