現役の小説家の中では一番好きな作家・西尾維新の『十二大戦』が熱いです。いま流行りのバトルロワイヤル系の作品ですが、いたるところに西尾維新らしい諧謔や言葉遊びがあふれています。
アニメ化されて、「U-NEXT」で無料で見ることができます。
漫画版は『ジャンプ+』で連載されてます。漫画版は同じ西尾維新原作で『めだかボックス』を描いた暁明あきらが担当で、安定感抜群です。
『十二大戦』「あらすじ」と設定
12年に一度、12人の戦士が集まり争い合う「大戦」が行われます。
12という数字で分かる通り、「十二支」が重要なテーマとなっていて、集まる戦士たちはそれぞれの干支「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」を代表しています。
「十二支」をモチーフにした戦士たちのバトルロイヤルというのは、ありそうで無かった設定です。
この設定だと、読んでいる人は自分の干支に勝ってほしいと思うし、感情移入しやすくなります。
私は「未」なので「ひつじ」の戦士を応援して熱くなれました。
「干支」という風習は日本だけではなく、中国・台湾・香港・韓国など北東アジアで共通のものなので、かなり国際展開しやすいとも思います。
東南アジアやロシアにも干支の概念があると聞いたことがありますが、細部はけっこう違うところもあるらしいです。
文化が近い中国や台湾でも、「イノシシ」ではなく「ブタ」が十二支の最後を飾っています。
十二大戦は『ドラゴンボール』のような1対1の天下一武道会形式ではなく、バトルロイヤルで戦います。
最後に生き残った勝者は、どんな願いでも一つだけ叶えられるとのこと。
ルールは毎回変更されるそうですが、舞台である12回目のルールは、12人の戦士が飲み込んだ毒の塊である「獣石(じゅうせき)」を奪い合うというもの。
「獣石」は猛毒の結晶で、人間の胃酸のみに独特な化学反応を起こして約12時間後に毒が溶け出して死亡するというものですが、普通の力では傷つけることができないほど硬いとのこと。
12個集めたら何でも願いが叶うというのはやはり『ドラゴンボール』っぽいですが、「獣石(じゅうせき)」を取り出すためには相手を殺す必要があるし、制限時間内に奪えなければ自分もその毒で死んでしまうという、邪悪で意地悪な設定というところに西尾維新らしさを感じます。
12人の戦士以外に、見届人がいるし、どこかに中継されているようだし、なぜこのような戦いが行われているのか謎が深まります。
誰が勝つかも気になりますが、この世界の設定もかなり気になります。
キャラクターデザインは『聖☆おにいさん』の中村光
驚いたことに、この小説のデザインはブッダとイエス・キリストのちょっとBLっぽい世俗ぐらし漫画『聖☆おにいさん』の中村光です。
しかもキャラクターデザインが先行で、西尾維新が様々な設定とか性格を付け足していって、小説となったというのです。
『聖☆おにいさん』のほのぼの路線からは考えられない殺戮エンターテインメントとなっていて、意外性がかなり高いです。
漫画『十二大戦』
暁月あきらの作画で、集英社のウェブコミック配信サイトやスマホアプリの『少年ジャンプ+』で秋から漫画も連載されています。
暁月あきらは『めだかボックス』でも西尾維新原作の漫画を描いてますし、この作品も見事に漫画化しています。
一話目をウェブ上で無料で読むことができます。
https://shonenjumpplus.com/episode/13932016480029068002
単行本版のコミックスも発売されました。
アニメ『十二大戦』
アニメ版も制作されていて、こちらは「U-NEXT」で視聴することができます。
31日間無料でアニメと舞台の『十二大戦』がすべて見放題です。
スマホでもタブレットPC(iPad)でもパソコンでも見られます。
※ 本ページの情報は2021年6月時点のものです。最新の配信状況は U-NEXTサイトにてご確認ください。
もうすぐ新年で、「干支」が気になる時期に「十二支」をモチーフにしたアニメを見てみるのも一興です。