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『アンゴルモア 元寇合戦記7巻』感想。蒙古軍の忍、対馬の特異な文化、義経流の秘密等々

 時は鎌倉時代、元寇襲来。対馬において、押し寄せるモンゴル連合軍との絶望的な戦いを描く歴史スペクタクル漫画の第七巻

前巻で蒙古と内通していた仲間が敵を城内に引き入れ、どうなることかという緊迫した場面から始まります。

今巻も手に汗握る場面が続々繰り広げられます。さらに、主人公・朽井迅三郎(くちいじんざぶろう)が使う義経流の秘密の一端が明らかになります。

また、対馬の独特の文化も知ることができる描写もあって盛りだくさんな内容です。

古代の山城・金田城を守り切れるか

 蒙古側の将軍であるウリヤンエデイの手勢を古老の知恵と地勢によるアドバンテージでどうにか撃退できるかという瀬戸際の展開。

 そこで主人公・朽井迅三郎(くちいじんざぶろう)は幼き頃、義経流を修行した鞍馬山のことを思い起こします。

鞍馬天狗 義経流の秘密

 源義経は鞍馬山で鞍馬天狗から修行を受けたという伝説がありますが、その修行内容が明らかになります。

 大自然をそのまま師とし、修行相手とするその方法は修験道を基としているようです。

主人公・朽井迅三郎とドラゴンボール・悟空

 危険を顧みず源義経の「鵯越(ひよどりごえ)の逆落とし」に範をとった攻撃を仕掛ける主人公・朽井迅三郎(くちいじんざぶろう)。

 根っからの戦闘好き。戦うのが楽しくてしょうがないその姿はドラゴンボールの悟空を連想させます。

たかぎ七彦『アンゴルモア 元寇合戦記 第7巻』37ページ 朽井迅三郎

 蒙古側の忍なんかも出てきて、さらに蒙古側の大元帥の影もちらつき、危機はまだまだ去りそうもないです。

対馬の独特の文化・亀甲占い

 漫画の中で、対馬の文化として「亀甲占い」が出てきます。亀甲を使った占いといえば、現在中国で確認できる最古の文明・のものがまず頭に浮かびます。

たかぎ七彦『アンゴルモア 元寇合戦記 第7巻』165ページ 亀甲占い

 占いのやり方も殷のものに似ているようです。

 中国文学者で甲骨文字の研究者である白川静の考察によると、日本は殷の文化をかなり吸収しているとされています。しかし、漫画に描かれる鎌倉時代にはかなりそういう名残も消えたと思いますが、対馬にはまだ残っていたようです。海で隔てられているため、対馬には本州とはかなり違う文化が根付いているのでしょう。

この漫画にはたびたび対馬独特の文化が出てきますが、そのたびに本州の文化との違いに驚かされ、対馬に行ってみたくなりました。

 第7巻には第25話から第28話までが収められています。元寇のことは小学校でも習うので、日本人には常識ですが、対馬でこんな戦いが繰り広げられていると知っている人はそうそういないかも。今『キングダム』と並んで今一番熱い漫画です。

悪夢は続きそう

 亀甲占いでも芳しくない結果が出るし、忍は暗躍するし、まだまだ蒙古軍は押し寄せてきます。蒙古がとりあえず去るまであと数日。これからも手に汗握る展開は続きます。

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