明柳書房

漫画の考察や本の書評。台湾の写真なども載せています。

ハンターハンター

呪唇白蛇(ツチボッコ)と銃火器の考察と感想『ハンターハンター』370話「観察」2

更新日:

【座敷人形(黒ぼっこ)の元ネタは宮沢賢治『ハンターハンター』370話「観察」1】の続きです。

『ハンターハンター』370話「観察」1の感想と考察はこちら

座敷人形(黒ぼっこ)の元ネタは宮沢賢治『ハンターハンター』370話「観察」1

『ハンターハンター』第369話「限界」の続きです。 2017年9月4日発売の『週刊少年ジャンプ 第40号』掲載のHUNTER X HUNTER 第370話「観察」では、暗殺者の念能力「11人いる!(サ ...

続きを見る

2017年9月4日発売の『週刊少年ジャンプ 第40号』掲載のHUNTER X HUNTER 第370話「観察」では、暗殺者の念能力「11人いる!(サイレントマジョリティー)」の「座敷人形(黒ぼっこ)」と「呪唇白蛇(ツチボッコ」の攻撃が行われます。この記事では「呪唇白蛇(ツチボッコ)」の考察をします。

以下ネタバレ有りの感想と考察なので、未読の方はご注意ください。

「11人いる!(サイレントマジョリティー)」の吸血攻撃

自己紹介が終わり、クラピカが集まった16人の中ですでに「念」能力を使える人に手を挙げさせます。

手を上げたのは第13王子 マラヤーム 警護のベレレインテ(ハンター協会員)と第1王子ベンジャミンの私設兵ヒュリコフだけ。

ヒュリコフの観察眼による見立てだと、念能力が使えるのはあと4人いるはずです。そして「11人いる!(サイレントマジョリティー)」の所有者「暗殺者」もその中にいると考えられます。

ハンター協会員のベレレインテは念能力所有を隠せないので挙手しましたが、他の4人は手の内を明かしたくないんでしょう。

クラピカは念能力者たちを監査役として快く受け入れます。

座敷童子(黒ぼっこ)に気づくロベリー

「憑かれた者」であるロベリーが座敷人形(黒ぼっこ)に気づき騒ぎ出します。

他の人には見えない能力のため、怖がって混乱して叫んでいる間に第13王子マラヤームの警護・バリゲンが首を押さえて苦しみだします。

バリゲンに白いものが巻き付き、バリゲンは急激に干上がってシワシワになってしまいました。

呪唇白蛇(ツチボッコ)の攻撃だった

これは「11人いる!(サイレントマジョリティー)」の「呪唇白蛇(ツチボッコ)」による攻撃でした。

白い身体で扁平の蛇の腹に唇がたくさんついた呪唇白蛇(ツチボッコ)。なかなか気味が悪い外見です。

呪唇白蛇(ツチボッコ)『ハンターハンター』370話「観察」

全部で4匹いて、一匹なら44秒で、4匹なら11秒で対象の全身の血を吸い尽くすという能力です。改めてよく見ると、呪唇白蛇(ツチボッコ)の顔や輪郭はどれも同じではなく、それぞれ個性がありますね。

「座敷人形(黒ぼっこ)」の衣服の胸のところには4匹の蛇の頭が描かれていました。

座敷人形(黒ぼっこ)全身『ハンターハンター』370話「観察」

下半身のところの絡み合う白蛇は中国古代神話の伏犠と女禍を彷彿とさせます。

呪唇白蛇(ツチボッコ)の名前の由来

呪唇白蛇(ツチボッコ)は画像を見ると、伝説上の「ツチノコ」を思い起こします。

ツチノコは言わずと知れた日本伝統の未確認動物 (UMA)です。

「鎚(金槌:カナヅチ=ハンマー)に似た形態で、胴が太いのが特徴のヘビです。

北海道と南西諸島を除く日本全国で目撃情報があります。

名前に「鎚(ツチ)」とついているのと、胴が普通の蛇より太いので作者も「ツチノコ」を意識しているのでしょう。

「ボッコ」というのは「座敷人形(黒ぼっこ)」の「ぼっこ」と合わせたとすれば「童子」つまりは「子供」の意味となります。このヘビが幼体なのかもしれませんが、単純に音を合わせただけとも考えられます。

白蛇伝説と「呪唇白蛇(ツチボッコ)」

白蛇というのは古来、日本各地で信仰の対象となっています。白い蛇を祀った神社は多いです。『傷物語』にも「北白蛇神社」と白蛇が憑いた千石撫子というキャラがいましたね。

また中国では白蛇の妖怪が白衣の美しい女性に化け、男の内蔵を喰らい尽くすという民間説話があり、現代のサブカルチャーにも影響を与えていますが、そのイメージも能力に反映されているかもしれません。

呪唇白蛇(ツチボッコ)のばあいは内蔵を喰らい尽くすのではなく、血を吸い尽くすという違いはありますが、ヘビの腹にある無数の唇が食らいつくし飲みつくすという本能の強烈さを感じさせます。

呪唇白蛇(ツチボッコ)の強さ

ネットの考察では呪唇白蛇(ツチボッコ)の能力は微妙であまり強くないのではと言われています。

たしかに1匹で44秒、4匹同時でも11秒かかるというのは一瞬の攻防が生死を分ける戦いではちょっと長すぎます。

スポンサーリンク

人間が失血死する条件

ただ人間は全身の血の約3分の1を失えば生命の危機があります。

約半分を失えば心臓は停止し、死んでしまいます。

だから呪唇白蛇(ツチボッコ)が全身の血を吸い付くせなかったとしても半分だけでも吸えば、相手は死に至ります。

となると4匹同時で約5秒弱で足ります。

座敷人形(黒ぼっこ)との連携

術者と「憑かれた者」にしか見えない座敷人形(黒ぼっこ)で気を引き、撹乱しながら攻撃できることを考えれば、なかなか手強い能力だと思います。

特に今回の念習得講座のような多人数が集まる場での暗殺には無類の強さを発揮します。

ただし、全身の血液を飲み尽くさなければ呪いが術者本人に返ってくるとか、制約があればやはり微妙な能力となってしまいます。

11秒という疑問点

そして、全身の血を吸い尽くすのに11秒かかるといいますけど、幻影旅団のウボォーのように大きい相手もいれば、ゴンのように小さい相手もいます。

当然ウボォーとゴンの血液量も違うわけですが、どちらも11秒かかるというのは何かおかしいです。

今気付いたのですが、11秒というのは能力名の「11人いる!(サイレントマジョリティー)」という能力名と数字が一緒ですね。11というキーワードが今後どういう意味を持つのか明かされていくのでしょう。

サカタが銃で呪唇白蛇(ツチボッコ)を撃つ

呪唇白蛇(ツチボッコ)が姿を現すとほぼ同時に第3王子・チョウライの警護兵であるサカタが呪唇白蛇(ツチボッコ)を銃で撃ちまくり蜂の巣にしてしまいます。

サカタは念が使えないし、ロベリーのように座敷人形(黒ぼっこ)が見えるわけではないのに、呪唇白蛇(ツチボッコ)は見えているようです。

呪唇白蛇(ツチボッコ)は守護霊獣や念獣のように念が使えない者には見えないという性質は持っておらず、実体として現れているのでしょうか。

しかし、サカタのピストルで撃たれた後、煙のように消えてしまったので、血を吸いつくすと実体は消えるという使用なのかもしれません。

9mmパラベラム弾 サカタが使用した銃弾

サカタが使用した「9ミリパラ」すなわち9mmパラベラム弾とは、自動拳銃用の弾薬の一種で、現実世界では軍用の拳銃用の弾薬として世界的に広く普及しています。

20世紀初頭にDWM(ドイツ兵器弾薬会社)のゲオルク・ルガーによって開発されたため、9mmルガー弾とも呼ばれています。

「パラベラム」というのはDMW社のモットーであるラテン語の「Si vis pacem, para bellum」(平和を欲するなら戦に備えよ)という言い回しから来ているそうです。

100年以上前に開発された銃弾ですが、欧州各国で今でも軍隊で使われており、日本も自衛隊、海上保安庁、警察等が(9mmけん銃、9mm機関けん銃等)用弾薬として採用しているそうです。

カキン王国は現実世界の中国をモチーフにしていると言われていますが、中華人民共和国も今は9mmの弾薬を使用しています。

9ミリパラベラム弾の特徴は

  1. 軍用拳銃として必要十分な威力がある
  2. 初速が速く、平坦な弾道特性で狙いやすい
  3. 反動が少なく、抑えやすい
  4. 弾薬自体がコンパクトで多弾数化しやすい

です。無駄にパワーを求めるより、合理的な威力とコンパクトさを有しており、使用者のサカタの性格が感じられます。

ただアメリカが開発した「.357マグナム弾」と同程度の能力を持っているとされ、至近距離で打てばかなりの威力を発揮します。

初代『バイオハザード』で出てきた「コルト・パイソン」は「.357マグナム弾」を使用しており、強敵ハンターをも一発で倒し、遠くからでもゾンビの頭を吹っ飛ばせる頼れる拳銃でした。

クラピカが念能力の一つで防御力を上げる「凝(ギョウ)」でガードしても無傷ではすまないというのも分かりますね。

45口径の銃弾

クラピカが状況次第で出てくるのではといった「45口径」。これも45口径の大型自動拳銃で使用される銃弾です。

正式には「.45ACP弾」と言い、1905年にアメリカのジョン・ブローニングが設計した実包(カートリッジ)で、 .45が口径(0.45インチ)とをあらわし、ACPは「Automatic Colt Pistol」のことです。

それ以前のアメリカの軍隊は38口径の銃弾を使っていました。しかし、フィリピンのモロ族を38口径では倒せなかったため、もっと威力が高い45口径が開発されたという経緯があります。

45口径の弾は約11.5mm(0.45インチ)で、9mmパラベラム弾より大きく、威力はありましたが反動の大きさや重さ、装填量の少なさなどから、世界の主流は9mmとなっています。

H&K(ヘッケラー&コッホ)の銃弾

クラピカが口にしたもうひとつの「H&K」というのは「ヘッケラー&コッホ:Heckler & Koch」というドイツの銃器メーカーのことです。

H&K社の銃器は、耐久性、信頼性、命中精度が高く、現実世界では特殊部隊・対テロ部隊で使用されている高性能火器です。

ドイツのGSG-9やイギリスの特殊空挺部隊(SAS)など、名だたる舞台で使われています。

日本警察も警視庁警備部が「P2000」を採用し、SAT(特殊急襲部隊)と皇宮警察本部特別警備隊が「機関けん銃」という名称で「MP5」を配備しているとのこと。

銃などの兵器は調べれば色々出てくるし、書いていると際限がなくなってしまうので参考文献を上げておきます。

わかりやすいのは

もっと詳しく知りたければ

あたりが良いと思います。

ハンターハンター世界の軍事力

『ハンターハンター』の世界の兵器は現実世界と同程度のものと思って良いと思いますが、キメラアント編で王メルエムを倒した貧者の「薔薇(ミニチュアローズ)」はあの威力で超小型ですから、一部技術は現実より進んでいると思います。

近代兵器を念能力で強化すれば、さらにとんでもないことになりそうなので、よく世界が滅びていないなと感心します。

想像するに世界が滅びそうな局面は何度となくあったと思いますが、その都度ネテロ会長のように身を挺して守る人がいたのでしょう。

クラピカとバビマイナはなぜ王子達の念獣ではないとわかったのか

なぜバビマイナとクラピカはこの「呪唇白蛇(ツチボッコ)」による攻撃をカキンの王子たちの守護霊獣(念獣)によるものではないと判断したのでしょうか。

第12王子モモゼの守護霊獣(念獣)のように無意識のうちに攻撃するタイプもいるわけですから、王子たちの守護霊獣(念獣)が暴れだしたという可能性も十分あると思うのですが。

実際、第9王子ハルケンブルグの警護役である私設兵シェジュールとユヒライは、念習得のために警護を派遣していない王子の仕業ではないかと予想していますし。

なぜ王子達の仕業ではないとわかったのかは今後明かされるのでしょう。

ここで『ハンターハンター』連載休止…… 再会は2017年内か

と、数々の謎と伏線を残しながら、『ハンターハンター』は休載してしまいました。

結局今回の連載では時間はほとんど進みませんでした。

展開的にも念の習得の説明と自己紹介をするのみの中途半端なところで、はやく続きが読みたいです。

作者の冨樫義博は年内には連載再開するかもと言っています。

噂によれば冨樫義博の持病である腰痛が制御できるようになったらしいので、本人の言葉を信じたいのですが、もう11月。連載再開の話はとんと聞きません。

「11人いる!(サイレントマジョリティー)」の能力者が誰なのか、そしてテータの生死は?また、ブラックホエール1号に忍び込んだヒソカがどうなったのか、シャルナークとコルトピを失った幻影旅団団員とクロロ団長はどうなるのかも気になります。

年末に駆け込みでもいいので、2017年中にぜひ連載再開してほしいです。

しかし、今回の連載再開では主人公のゴンと準主人公のキルアは全く出てきませんでした。暗黒大陸編で主人公級の活躍をすると思われたゴンの父・ジン=フリークスも全然出てきませんでした。

それでもこれだけ面白くて続きが気になるので、改めて『ハンターハンター』はとんでもない漫画だと思います。







-ハンターハンター
-, ,

Copyright© 明柳書房 , 2017 All Rights Reserved.