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キングダム 587-588 考察 感想 信は王賁なき後の玉鳳をどうするのか?レビュー【最新話】

こんにちは! 月に50冊以上マンガを読むコウテツユウギです。

『キングダム』最新話 『キングダム』605話「王翦の読み」の考察と感想(ネタバレ有レビュー)はこちらを見てください。

605話
黄色い伝統衣装を着た古代中国(春秋戦国)の女子画像
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2019年1月24日(木)発売の『週刊ヤングジャンプ 8合併号』(電子版)を買って、原泰久『キングダム』587話「祈るのみ」を読みました。

以下ネタバレありの考察と感想(レビュー)なので、未読の方はご注意ください。

586話「二突きの勝負」の考察と感想(ネタバレ有レビュー)はこちらを見てください。

緊迫の朱海平原《しゅかいへいげん》の戦い13日目、尭雲《ぎょううん》と王賁《おうほん》が直接対峙し、刃を交えるという激アツな展開となりました。

ここまでは完璧に李牧《りぼく》の策どおりに動いています。

しかし、李牧の読みが甘かったのは、王賁率いる玉鳳隊《ぎょくほうたい》の面々の圧倒的なまでの忠誠心でした。

王賁は関常《かんじょう》たち、腹心の部下を犠牲にすればいかに尭雲の秘策「雷獄」と精鋭「十槍」から無傷で逃げることも可能でした。

しかし、王賁は部下を守るために「人外の武」尭雲と直接対決することを選び、僅差でやられてしまいました。

ただ、尭雲の一撃を食らってもまだ王賁の生命はどうにか残っていて、王賁のポテンシャルの高さはさすがです。

王賁の将軍としての器が周りを動かす

王賁が関常を守るために戻り、関常は助かったものの、他の部下もかなり危ういです。

王賁という将を失った後の軍というのは、たいてい総崩れになり壊滅してしまうところです。

しかし、王賁が戦線離脱しても、絶対に引かない玉鳳隊の兵士達。

ふつうの寄せ集めの軍ではなく、王賁を幼少の頃から知っているからこその心意気です。

宮康《きゅうこう》は命を捨てて敵を止め、笑顔で最期を遂げました。

玉鳳隊・宮康:『キングダム』587話「祈るのみ」より引用

【引用画像:出典】玉鳳隊・宮康:『キングダム』587話「祈るのみ」より引用

守りたい人を守るために、おだやかに死す宮康に涙しました。

原先生の『キングダム』はこうしたカラッとした覚悟の顔が初期から印象的です。

飛信隊が王賁・玉鳳隊の異変に気づくが、時すでに遅し

尭雲と趙峩龍《ちょうがりゅう》の動きに、信は気づいていたようです。

乱戦の中でも他の隊の様子まで気にかけるようになってきた信、将軍としての成長を感じさせます。

それか、信が「本能型」武将であるため、同じ「本能型」尭雲の不穏な動きを察知できたのでしょう。

その尭雲は、王賁を斬り伏せたものの、右手を粉砕され大ダメージを負っています。

右腕を完全に王賁の槍に貫かれているため、普通なら矛を握るのも難しいはずなのに、矛を離さない尭雲の胆力に脱帽です。

しかし、いくら「人外の武」である尭雲とは言え、傷口を放置していたら破傷風になって死んでしまいます。

抗生物質がない時代、ちょっとした傷でも命取りとなってしまいます。尭雲も細菌相手に戦う術を持ちません。

尭雲は元の場所に戻り、王賁の副将・番陽《ばんよう》が玉鳳隊に駆けつけることができます。

幼い頃から成長を見守ってきた王賁が討たれてしまったことを聞いた番陽は、血の涙を流す勢いです。

本来は番陽が気丈に玉鳳隊をまとめていかなければならないのですが、情に厚い番陽には無理でした。自分の子供も同然な若者が死にかけていると、冷静な判断はできないようです。

私も年を取るごとに涙もろくなります。楊端和とバジオウ、今回の王賁と宮康も涙無しではみることができませんでした。

朱海平原の戦い 13日目終了 各陣営の状況とは?

王賁を討ったものの、尭雲も戦線離脱し、13日目も決着は付きませんでした。

李牧としては王賁を尭雲の「雷獄」で軽く撃破し、一気に決める気でしたでしょうが、玉鳳隊の忠誠心の強さを甘く見ていました。

詳しい陣容は本誌をみてもらうとして、やはり戦況はやや趙軍有利といえるでしょう。

尭雲が事実上の戦闘不能状態であっても、それは秦側には伝わっていませんし、王賁喪失により士気低下が危ぶまれます。

信と王賁の熱いライバル関係にまた涙

王賁が瀕死と聞いて、ライバルの信も王賁の本陣に見舞いに行きます。

玉鳳隊の兵達は子供のように泣くばかりで、心に負ったダメージの大きさは肉体のダメージを軽く凌駕しています。

いつもクールな王賁が、これほど部下に愛されていたとは。スピンオフで王賁の生い立ちの物語もぜひ見てみたいです。

信はいつも悪態をつきあって、衝突が絶えない玉鳳隊副将・番陽をしっかりと励まします。

普段はぶつかり合っていても、言うべきこと、励ますことは正面から目を見据えて自信を持って伝えるというのはさすが将の器です。

ビジネスパーソンのなかには、ライバルの不幸を喜ぶ輩もいますが、そういうのはやっぱり小物です。

自分のライバルがこんなところで死ぬはずがないという信の揺るがない心構えは、番陽たち玉鳳隊の兵士にしっかり伝わりました。

ここまで来て、信は王賁を直接見舞うのかと思いきや、王賁には会うことはしませんでした。

このあたりもライバル(好敵手)同士の機微と優しさが垣間見えて、泣きそうになりました。

本当なら信も王賁が心配で、見舞いたいところです。

しかし、ライバルの弱った姿を見るのは心苦しいですし、王賁側からすると、ライバルに自分の弱った姿を見られるのは、かなりのストレスとなってしまうでしょう。

信は王賁が自分に恩を感じてしまうことを避けようとしているともいえます。恩は負い目ともなってしまいますしね。

もし蒙恬《もうてん》ならば、迷うことなく直接見舞っていたでしょう。

そういう優しさと自然さを持つのが蒙恬で、器のデカさだと思うのですが、信も王賁も素直じゃないけど、気遣いを見せる愚直さが魅力的です。

『キングダム』588話 朱海平原の戦い、残り2日の展開予想

588話「右翼の本命」の考察と感想(ネタバレ有レビュー)はこちらを見てください。

このまま玉鳳は朱海平原の戦いから離脱してしまうでしょう。

信は羌瘣《きょうかい》に治療をたのみましたが、尭雲から受けた傷は一朝一夕では治るものではありません。

羌瘣は少数民族・蚩尤《しゆう》の秘術を使うことができるので、心臓が止まりかけている王賁も命を落とすことは無さそうで安心しました。

朱海平原の戦いはあと残り2日とのこと。

王翦《おうせん》も兵糧が残り少ないですし、王賁の玉鳳隊の戦力が激減したので、一気に勝負をかけに行くでしょう。

玉鳳隊は飛信隊と合流することになるのでしょうか。

普通なら水と油の感じがする飛信隊と玉鳳隊ですが、共通の敵・尭雲に対しては一致団結できそうです。

とくに主の王賁を失い、怒り狂う玉鳳隊の士気は以前より高くなるかもしれません。

その尭雲は右手に重傷を負っているため、飛信隊は趙峩龍《ちょうがりゅう》と馬南慈《ばなんじ》がメインの敵となってきます。

どちらも手強いですが、尭雲ほどの神がかった武を持っているわけではないため、どうにか次の日も持ちこたえられるのではないでしょうか。

となると、最終日は李牧と王翦の正面衝突で決着が付くと言うことでしょうか。

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