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キングダム 597-598 考察 感想 藺相如と王騎、中華の未来とは レビュー【最新話】

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2019年4月18日(木)発売の、『週刊ヤングジャンプ 20号』(電子版)を買って、原泰久『キングダム』597話「武運を」を読みました。

以下ネタバレありの考察と感想(レビュー)なので、未読の方はご注意ください。

596話「趙峩龍本陣」の考察と感想(ネタバレ有レビュー)はこちらを見てください。

朱海平原の戦い14日目が佳境を迎え、趙峩龍《ちょうがりゅう》と信の直接対決が迫ります。

趙峩龍は頼みの精鋭・土雀《どじゃく》の精鋭を倒され、藺相如《りんしょうじょ》に告げられた預言を思い出しています。

尭雲と趙峩龍が趙の三大天・藺相如の預言を聞いたのは、

馬丘の戦い

で、それは「中華」についての話でした。

なんと一緒に聴いていたのは

宿敵である秦六将 王騎将軍と

  • 録鳴未《ろくおみ》
  • 同金《どうきん》
  • 鱗坊《りんぼう》

たちでした。

まだ若い秦六将・王騎と藺相如が浅い川をへだてて直接対峙するという激レアな場面です。

このときの藺相如の評価としては、秦国は国王も将軍達も

「無邪気」

というもので、無邪気さは秦の王からきているとのこと。

童のような瞳で中華を攻めまくる「戦神《いくさがみ》」と呼ばれている王はたしかに無邪気といえます。

秦国は戦国の七雄の中ではもっとも若い国で、まだ文化的にも成熟していないというのが藺相如の言いたかったことかもしれません。

ただ、その無邪気さが国を強くしているとも評価しています。

藺相如は「それだけでは届かない」といい

  • 中華はその刻ではない
  • 中華はまだ熟し切れていない

と意味深なことを言います。

藺相如は現・秦王嬴政《えいせい》と同じく、早くから中華全体を考えている逸材だったのです。

この時の中国は7つ以上の国に分かれて、血みどろの戦いを繰り広げていたため、民は疲弊し、国力は消耗していました。スキを見て異民族の匈奴も戦いを挑んできますし、危うい状況であります。

藺相如語る「中華のため」の役割とは

藺相如は自らを「中華を熟させる」役割を担っていると感じています。

人は思いを紡いでいける生き物で

  • 苦しみ
  • 哀しみ
  • 喜び

があり、「俺達はずっとつながって生きている。」と人類全体のことを考え、

もうずいぶんと前から「中華はかの日が来るのを待っている」と述べます。

かの日というのは、中華が統一され、争いがなくなる日のことでしょう。

中華統一のためには、自らが成し遂げられなくても、だれかが成し遂げれば良いと思っているらしく、宿敵の王騎に武運を祈っています。

中国映画「英雄(HERO)」との関係

ここで思い出したのが、チャン・イーモウ監督の『英雄(HERO)』という映画です。

この映画でも秦王と対峙した暗殺者が、秦王を殺せる寸前に秦王との対話で死を選びました。

この映画は独裁を助長するという批判も生みましたが、中国が分裂すると大混乱におちこみ、民が疲弊するのは事実なので、正しいとも間違っているとも言えない感じです。

中国崩壊論がかまびすしく、中国は分裂するのではないかという憶測が常にありますが、中国人は肌感覚で「秦漢時代の統一した状態の中国がデフォルト」と思っているし、EUが分裂で大混乱していることを見ているので、やはり分裂することはないでしょう。

信 VS 趙峩龍、ついに直接対決するが勝敗は?

ついに飛信隊の隊長・信と趙峩龍将軍が直接対峙します。

藺相如は争いにうんざりしている中華は「1つになりたがっている」と述べていますが、これは実は秦王・嬴政《えいせい》と同じ思想です。

もし戦国時代において、それが失敗すれば「永劫に中華は分裂したままで延々と戦い続ける」と預言します。

ローマですら完全に押収を統一できなかったため、ヨーロッパは戦乱に明け暮れる歴史となりました。

今のEUも分裂の兆しがあり、また昔のような争いの火種があちこちに渦巻いています。

藺相如はそういう状況を避けたいと思っていて、とうぜん、自分の国・趙がそれを成し遂げたいと思っています。

しかし、その運命は身体の弱い自分にはないとも思っています。

吐血しているので、致死性の結核でも患ってるのでしょうか。

藺相如はもしその中華を1つにする剣をもつ者が現れれば、

「すべてをかけてそいつを殺せ」

と命令します。

その命令通り、趙峩龍は信を渾身の力で矛で打ち下ろします。

体格差もあり、信は吹っ飛ばされてしまいます。

趙峩龍は趙の元三大天・藺相如の「盾」でしたが、武力も相当なものです。

しかし、信は負けず衣に対抗します。

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598話「紡ぐ者」の考察と感想(ネタバレ有レビュー)はこちらを見てください。

藺相如のもうひとつの「伝えておきたいこと」とは何なのでしょうか。

まさか「相手に勝ち譲れとか、協力しろ」ということではないことは確かです。

どうなるのでしょうか。

力を尽くして勝てない場合、一度退けとでも言うのでしょうか。

信は三大天の「盾」である趙峩龍の防陣「土雀」の精鋭を破り、本陣に食い込みました。

勢いに乗る飛信隊はこのままだと趙峩龍を討つ展開となるでしょう。

尭雲も、この朱海平原の戦いで主である「藺相如」の預言を思い出しているでしょう。

その場合、趙峩龍が敗れてしまった場合、どう動くかわかりません。

尭雲は今はあくまで趙総大将・李牧の部下として動いていますが、当然今はなき藺相如のほうを尊敬しているでしょう。

李牧の命令を無視してでも藺相如の遺言に従う可能性もあります。

しかし、軍紀違反は当時も今も私刑などの思い刑罰が避けられません。

尭雲は傷ついた身体で信と闘い、戦いに散るという選択を選ぶのかもしれません。

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