ハンターハンター

『ハンターハンター』376話 考察「決意」感想 チョウライの能力とツェリードニヒの念系統とは?

こんにちは! 月に50冊以上マンガを読むコウテツユウギです。

2018年3月5日発売の『週刊少年ジャンプ 14号』で冨樫義博『ハンターハンター』の第376話「決意」が掲載されました!

次回の第377話「画策」のネタバレ考察と感想はこちらを見てください。

前回の第375話「説得」のネタバレあり考察はこちらを見てください。

375話
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『ハンターハンター』考察 375話「説得」感想 各王子の守護霊獣の能力とは?

2018年2月26日発売の『週刊少年ジャンプ 13号』で冨樫義博『ハンターハンター』の第375話「説得」が掲載されました ...

『ハンターハンター』の物語の展開がさらに複雑になり、第35巻を読んで復習していないとついていくのが難しいです。

35巻のまとめ記事があるので、35巻を未読の人や復習したい人はこちらを先に見てください。

35巻
『ハンターハンター』35巻 考察 感想まとめ

2017年12月4日発売の『週刊少年ジャンプ』で冨樫義博『ハンターハンター』の連載再開が発表されました! 2018年1月 ...

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以下ネタバレありの考察と感想なので、未読の方はご注意ください。

ハルケンブルグはカキン王に会うことはできるのか?

場面はV・VIP専用通路のゲート、第9王子ハルケンブルグがカキン国王ナスビー=ホイコーロに謁見を求めています。

しかし、ゲートの門兵は次の晩餐会まで待つように言っています。

ハルケンブルグはこれ以上犠牲者を出さないためにも王位継承戦からの辞退をもういちどホイコーロに伝えに行こうとしていました。

会えないのなら手紙を渡して欲しいとと頼みますが、門兵は侍従長のモリシに手紙を渡すことしかできないといいます。

手紙を持参するところを見ると、ハルケンブルグも王に会えるとは思ってなかったのでしょう。

ハルケンブルグは王に会えるまで毎日来ると宣言します。

第9王子ハルケンブルグ:『ハンターハンター』第36巻 第376話「決意」より引用

第9王子ハルケンブルグ:『ハンターハンター』376話「決意」より引用

妹の第12王子モモゼの死がよほど心痛だったのでしょう。ハルケンブルグの覚悟の強さが伺えます。

ベンジャミンとカミーラの裁判の結果とは?

法廷と思われるところで、第1王子ベンジャミンと第2王子カミーラの裁判が行われています。

ブラックホエール(BW)1号の内部にはこんな法廷まであるんですね。下層には市場のようなところもありましたし、船内で一つの都市のようになってます。

裁判を取り仕切っているのは、第371話で初登場した「第1層 最高裁判官室 最高裁判官 クレアパトロ」です。

クレアパトロ:『ハンターハンター』第36巻 第371話「任務」より引用

クレアパトロ:『ハンターハンター』第371話「任務」より引用

カミーラの弁護人は、「カミーラは第1王子ベンジャミンの私設兵ムッセに銃撃されたため反撃しただけ」といい、あくまで正当防衛だと言います。

ベンジャミンを銃で撃ちまくったのもやむなく発砲しただけと。

むしろ、ムッセがカミーラの暗殺を図ったことから、第1王子ベンジャミンを提訴すると陳述します。

対して、第1王子の私設兵長バルサミルコはカミーラは過剰防衛であり、ムッセを匿ってもいないと反論します。

両弁護人はそれぞれの居住区の捜索を依頼し、裁判長のクレアパトロは捜索を国王軍に依頼すると決めます。

そして、ムッセの身柄が確認されるまで両王子はV・VIPエリアで監視・勾留されることになりました。

ただ護衛は今まで通り、外出の時はクレアパトロが指定する監視員を帯同させるという条件付きです。

クレオパトロのこの裁き、どちらの王子側にもくみしない公正なものだと言えます。

カキン王国は王の独裁政権と思いきや「司法の独立」というものが意外ときちんと機能しているようですね。
しかし、ムッセはもうカミーラの念獣「百万回生きた猫(ネコノナマエ)」に殺されてしまっているため、身柄が拘束されることはありませんが、どうなるんでしょう。

カミーラとベンジャミンは別々の場所に勾留されることになりましたが、ベンジャミンは念能力「星を継ぐもの(ベンジャミンバトン)」でムッセの能力であるミミズクの念獣、能力は「裏窓の鳥(シークレットウィンドウ)」を継承し、カミーラを監視し続けることが可能です。

ベンジャミンとカミーラ:『ハンターハンター』第36巻 第376話「決意」より引用

ベンジャミンとカミーラ:『ハンターハンター』第376話「決意」より引用

依然としてこの2人の戦いはカミーラの行動が監視できるベンジャミンが有利です。

しかし、ベンジャミンとカミーラの念獣(守護霊獣)がまだ本格始動していないので、今後カミーラ側の逆襲も十分考えられます。

クラピカの念講習で新たな犠牲者!?

クラピカの念講習の現場では、なんとミュハンが暗殺者「サイレントマジョリティ(11人いる)」の呪唇白蛇(ツチボッコ)によって全身の血を抜かれて殺されてしまいました。

第4王子ツェリードニヒ護衛・ミュハン:『ハンターハンター』第36巻 第376話「決意」より引用

第4王子ツェリードニヒ護衛・ミュハン:『ハンターハンター』第376話「決意」より引用

念講習においては、バリゲンに続いて、2番目の犠牲者です。

ミュハンはどうやらトイレに入った瞬間に襲われて、殺されてしまったようです。

第4王子ツェリードニヒ所属のミュハンはクラピカの念講習の際に、かなりイキってつっかかってきていたキャラですが、念能力者ではなく、不意をつかれて殺されました。

念講習にあつまっている各王子の護衛たちは、実はクラピカたちが犯人ではないかと疑っています。

クラピカとミュハンは念講習の説明の時に揉めていたため、なおさら疑われてもしかたありません。

国王軍を呼ぼうとするマオールとサトビに対して、第13王子マラヤームの護衛兵でハンター協会員のベレレインテが「敵地なのに警戒せず小便をしにいったミュハンがうかつだった」とクラピカに助け舟を出します。

不意をつかれて殺されたバリゲンとは違い、不用意に一人になってしまったミュハンはたしかに不用心でした。

マオールとサトビはハンター協会を信用しているわけではなく、むしろハンターたちが結託して、王位継承戦を利用してカキンの中枢に取り入ろうとしていると疑っています。

ハンターの中に権力を利用しようという輩が多いとは思えませんが。

ベレレインテは辞めたい人だけ出ていけばいいとといい、ここで辞めたら暗殺者の逃げ得だと言います。

ベレレインテ:『ハンターハンター』第36巻 第376話「決意」より引用

ベレレインテ:『ハンターハンター』第376話「決意」より引用

オネェ口調のベレレインテ、論理明晰で頼れる人物ですね。

クラピカはベレレインテに礼を言うと、ベレレインテはビルを10分ほどちょっと貸して欲しいといいます。

1013号室が第13王子マラヤームの念能力で隔絶されてしまったため、ビルと雑談している体で、ビスケ達に情報を伝えようと言うのです。

ベレレインテが1013号室に向かって一人でしゃべっていたら、かなりの不審人物になってしまいますね。ビルと話している風なら確かに怪しまれません。

カチョウとセンリツの決意とは?

1010号室では第10王子カチョウがセンリツに勉強を教えてもらおうとしています。

センリツと普通に話しながら、カチョウは密かにモスキート音でモールス信号を送っています。

第10王子カチョウ:『ハンターハンター』第36巻 第376話「決意」より引用

第10王子カチョウ:『ハンターハンター』第376話「決意」より引用

モスキート音というのは蚊が飛ぶ時に鳴るような甲高い音で、若い人にしか聞こえません。

カチョウはセンリツの鋭敏な耳を知っているのか、試してみたようです。

センリツはモスキート音に気付き、さらにモールス信号だと判断し、「聞こえてる?イエスなら『音楽』と答えて」というメッセージを読み解きました。

カチョウはセンリツがメッセージに気付いたことが分かると、キッチンの下の奥を探すように指示します。

センリツがカチョウの指示通りキッチンの棚の左隅、下の奥を探すと、そこにはモスキート音で会話できる「たまごっち」みたいな装置がありました。

センリツとモスキート音で会話する道具:『ハンターハンター』第36巻 第376話「決意」より引用

センリツとモスキート音で会話する道具:『ハンターハンター』第376話「決意」より引用

センリツは懸命に生き延びようとするカチョウを絶対に助けると決意します。

チョウライの念獣の能力が判明、コインの効果とは?

1003号室ではチョウライの念獣(守護霊獣)で出現したコインの能力がついに明かされます。

念獣によって具現化された物体とはいえ、見たところ何の変哲もない普通の硬貨です。

ただ、第1王子ベンジャミンが派遣したコベントバによると同じデザインの硬貨はなく、何らかの超常効果を発動させる触媒であると推察されます。

説明では「具現化系 複合型の能力複数の条件で複数の能力が発動でき」、コインの所有者が条件を満たせば色々な能力が発現するとのこと。

第3王子チョウライのコイン:『ハンターハンター』第36巻 第376話「決意」より引用

第3王子チョウライのコイン:『ハンターハンター』第376話「決意」より引用

「複数の条件で複数の能力を発動できる」って、漠然としすぎて現時点では一体どんな効果がもたらされるのか、わかりませんね。

ただコインを持っていれば発動できるようなので、チョウライではなくても使うことができそうです。
念能力者でなくてもコインを使うことができるなら、チョウライの護衛兵も戦力になりそうです。

フウゲツの能力「魔法の抜け道(マジックワーム)」の発動条件とは?

1011号室では第11王子フウゲツが自身の念獣(守護霊獣)の能力と思われる「魔法の抜け道(マジックワーム)」の扉とトンネルを出しています。

発動条件が不明でしたが、一日一回という制約があったようです。

フウゲツはもしこの能力でどこにでも行けるなら、カーちん(カチョウ)と2人で逃げることも考えています。

カチョウとフウゲツの2人には生き残ってほしいですが、冨樫義博はモモゼ王子をあっさり殺してしまうような漫画家なので、油断できません。

フウゲツは冷静に能力の発動条件と正確な力を確認しようとしています。

第11王子フウゲツ:『ハンターハンター』第36巻 第376話「決意」より引用

第11王子フウゲツ:『ハンターハンター』第376話「決意」より引用

単なる夢見がちで頼りない少女と思ってましたが、覚悟とカチョウを助けるという目的があると冷静で強いですね。

フウゲツはこの扉とトンネルは「出口から入り直せるのか?」と「出口側から入口側の場所を変更することは可能か?」を確認しようとして、扉の入口の横に出口を出現させようとしますが、現れませんでした。

どうやら自由自在に出口を作るということはできなそうです。やはりカチョウの存在が能力の発動に絡んでいるのしょうか。

水見式で判明したツェリードニヒの凶々しい念系統とは?

1004号室ではダンジンが第4王子ツェリードニヒにミュハンが殺されたことを伝えています。

ダンジンは自分が標的にされることは回避できるし、2週間という期限付きなうえ、クラピカがウソを言っているとは思えないため続けて参加しても良さそうだと言います。

ツェリードニヒはクラピカたちの「教える」という行為が人を操作しているのではないかと疑っています。

テータはツェリードニヒが念の戦闘で最も重要な「あらゆる想定」の深さと早さが自分より上回っていることに戦慄しています。

テータちゃん、ツェリードニヒの念獣に襲われて生死が危ぶまれていましたが、生きていました!良かったです。

テータは顔を傷つけられているのですが、これが王子の念獣(守護霊獣)発動のための必要条件になっていそうです。

ツェリードニヒは、このままダンジンがクラピカの念講習を受け続けるなら最終日に正常であること(無実)を証明する土産が必要であると言います。

土産とは、何を指すのでしょうか。残忍なツェリードニヒですから、第14王子ワブルかクラピカの命ということも考えられます。

テータはあと11日でツェリードニヒに「絶」を教えようとしています。

ゴンとキルアの修行よりもかなりハイペースですね。

ツェリードニヒは念能力の系統を測る「水見式(みずみしき)」をしようと提案します。

テータは表向きはまだ早いと反対しながら、系統を知れば王子対策が立てやすくなるためやらせてみることにします。

ツェリードニヒがコップの水で水見式をすると、一瞬で水が腐りはてて、異臭が充満しました。

第4王子ツェリードニヒの水見式:『ハンターハンター』第36巻 第376話「決意」より引用

第4王子ツェリードニヒの水見式:『ハンターハンター』第376話「決意」より引用

腐った上に沸騰しているようにも見えますね。

テータも見たことがない恐ろしい水の変化に冷や汗が止まりません。

水が変化するということは「特質系」の念能力です。

こんな毒々しく禍々しい特質系念能力をもちつつ、天才的なセンスを持ち、念獣も強力なツェリードニヒ。

やはり王位継承戦の最後の方まで残ってくるでしょう。

376話「決意」のまとめ

第376話も19ページの中に、これでもかというほどのテキストと情報が詰め込まれていて色々な展開がありました。

今回の話をまとめると

  1. 第9王子ハルケンブルグの「辞退」の意志は固い
  2. 裁判の結果、クレオパトロは第1王子ベンジャミンと第2王子カミーラを監視・勾留措置とする
  3. 第4王子の護衛兵ミュハンが「サイレントマジョリテー」に暗殺される
  4. クラピカが暗殺の共謀者として疑われるが、ベレレインテが助け舟を出す
  5. センリツは第11王子カチョウとモスキート音で会話し、共闘する
  6. 第3王子チョウライの念獣(守護霊獣)のコインの能力が判明
  7. 第12王子フウゲツの念獣(守護霊獣)の扉とトンネルは1日1回しか使えない
  8. 第4王子ツェリードニヒ、水見式で水が腐り、念能力は「特質系」と判明

となります。

次回第377話はどうなるのでしょうか。

ここ数回、カチョウとフウゲツがずっと出ているので、この2人はまた出てきて、能力の解明が進むのではないでしょうか。

クラピカの念講習の暗殺者「サイレントマジョリティー(11人いる)」は、全く尻尾を見せないので、まだまだ犠牲者は出てきそうです。

今回解明が進まなかった第13王子マラヤームの隔離された別空間となってしまった1013号室の秘密もすこしずつ明かされるのではないでしょうか。

個人的にはビスケとウェルゲーの恋模様も気になります。

いつも通りの冨樫義博先生なら10週間連載して、また休載にはいってしまいます。

そうだとするならば、今回の連載はあと4回しかありません。早く暗黒大陸に着いてほしいという思いもありながらも、王子や各護衛のキャラが立ってきて、面白くなってきたので、丁寧に物語を綴ってほしいとも思います。

371話で出てきたきり出でこない幻影旅団のメンバーやヒソカとの因縁の戦いも気になります。

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