進撃の巨人

進撃の巨人 109話「導く者」考察 感想 ガビとカヤの交流、キヨミの飛行艇とは?

『進撃の巨人』がついに完結しました。最終34巻の考察と34巻を無料で読む方法はこちらを見てください。

諫山創『進撃の巨人 第34巻』 (週刊少年マガジンコミックス) 表紙画像


こんにちは! 月に50冊以上マンガを読むコウテツユウギです。

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AmazonのKindleで2018年9月7日(金)発売の『別冊少年マガジン 9月号』(電子版・kindle版)を買って、諫山創『進撃の巨人』109話「導く者」を読みました。
以下ネタバレありの考察と感想(レビュー)なので、未読の方はご注意ください。

108話「正論」のネタバレ考察はこちらを見てください。

ガビとファルコがサシャ親族経営の牧場へ

ガビはサシャを殺した後、ファルコといっしょに拘留されていましたが、見張りをぶん殴って逃げました。

逃走中にカヤという物静かな少女に会って、家に連れられていきます。

ガビはもっと遠くに逃げたほうがいいと言いますが、ファルコは闇雲に動いたってすぐに見つかると反対します。

ファルコは牧場で働きながら様子を見ることを提案します。

着いた先の家では、年配の男が

君達か家出したんは どうしたこつかい?

と九州なまりのような言葉で聞きます。

ブラウス厩舎、サシャの父母と孤児:『進撃の巨人』109話「導く者」より引用

ブラウス厩舎、サシャの父母と孤児:『進撃の巨人』109話「導く者」より引用

ガビは「南方マーレのなまり」ということに気づきます。

ファルコは自分たちがマーレから来たことを隠すために、兄妹という設定で、名前も「ベンとミア」と偽り、家出してきた子供という設定にします。

極限状況でもスラスラとウソ設定が出てくるファルコ、さすがマーレの戦士候補性。諜報活動の訓練も受けているのでしょう。

主とみられる年配男性は、そこを「ブラウス厩舎《きゅうしゃ》」と紹介し、あたたかく迎えてくれました。

「ブラウス」という姓で、「サシャ・ブラウス」の親族経営の牧場だと分かります。死んでしまったサシャの父親でしょう。

年配女性のリサから頭をなでられるガビですが、思わず手を払いのけてしまいます。

自分が「悪魔」と思い込んでいるエルディア人への拒否感が消えないガビ。この女性はサシャの母親でしょう。

ファルコはうまく取りつくろいます。

キヨミがヒィズル国から持ち込んだ「飛行艇」とは?

壁内のザックレー総統がヒィズル国から来たアズマビト家のキヨミを迎えます。

キヨミは「マーレ遠征作戦成功おめでとう」と賞賛して、ヒィズル国の首脳もエルディアをたたえていると伝えます。

今回キヨミは「地鳴らし」の威力を確かめに来たようです。

氷爆石《ひょうばくせき》を燃料とした世界初の飛行艇「観測機」で上空から見るとのこと。

観測機は尾翼があり、現代世界の「飛行機」のように見えます。覆いがかけられているので、全貌は分かりませんが、両翼は折りたたみ式なのでしょうか。急速な科学技術の進歩を感じさせます。
ヒィズル国の飛行艇:『進撃の巨人』109話「導く者」より引用

ヒィズル国の飛行艇:『進撃の巨人』109話「導く者」より引用

マーレでは飛行船が実用化されていましたが、観測機はより小型で機動力がありそうです。

いよいよ『進撃の巨人』の世界も航空兵器が主力となり、巨人の力が弱まる世界となりました。

ハンジとリーブス商会・新聞記者との対立とは?

リーブス商会の会長フレーゲルと、新聞記者のピュレロイがハンジに迫っています。

フレーゲルもピュレとロイも以前、調査兵団に協力してくれた仲間であり功労者です。どうして調査兵団の団長ハンジと言い争っているのでしょうか。

フレーゲルたちは

  • シガンシナ区から全住民強制退去
  • 義勇兵が一斉に拘束された
  • エルディア国に勝利をもたらしたエレン・イェーガーが幽閉
  • 兵団に外界からの富が集中しすぎている

ことを糾弾します。

ハンジは4年前とは状況が変わったこと、壁が開かれ世界と繋がり情報の持つ意味が変わったとだけしか言えず、ピュレとロイも納得がいきません。

フレーゲルはハンジが辛い立場なのは分かることは理解していて、信じているようですが、今後の展開次第では決裂してしまう可能性もあります。

フロックたち「新生エルディア帝国」派の暗躍とは?

エレンが幽閉された情報を流したのは

  • ホルガー
  • ヴィム
  • ルイーゼ
  • フロック

でした。

フロックは4年前にエルヴィンを助けようとした時からの古参ですが、他の三人は新兵です。

フロックはマーレ急襲作戦の時も「新生エルディア帝国」設立と叫んでいましたが、急進派のようです。

フロックたちは勝利に最も貢献し、国民全員の命を救ったエレンを解放すべきと思っていて、巨人の「地鳴らし」は自分たちの生存権であると思っています。

それに対して、ハンジはエレンの行動を「世界中の国の軍がこの島に総攻撃をくらわせるこれ以上ない必然性を与えてしまった」と考えていて、自分たちの生存権が侵害されたと考えます。

それに、ハンジは

「地鳴らし」が期待通りに機能して我々を救う保証は何もない

と言います。

確かに「地鳴らし」はタイバー家のヴィリーやジークの話だけで、実際に見た人は誰もいない伝聞にすぎません。
だからアズマビト家のキヨミも実際に効果を確かめに来たのでしょう。

フロックたちは「この国を導くのはエレン・イェーガー」と考えていて、エレンを今すぐ解放することを求めますが、ハンジは拒否します。

ハンジはフロックたちを懲罰房《ちょうばつぼう》に入れることにします。

ここで、ハンジはかつて中央憲兵団のハネスを拷問したときに、「こういう役には順番がある がんばれよ ハンジ」と言われたことを思い出します。

権力を持った人間は、いつか誰かに奪われてしまうということでしょうか。

もともとハンジは研究者肌の人で、人の上に立ったのも成り行きでした。

こういうとき、エルヴィンが生きていれば、、と思わずにはいられません。

ルイーゼとミカサの関係とは?

フロックと一緒に懲罰房に入ったルイーゼという少女はトロスト区防衛戦で、ミカサが巨人を倒しているところを母親に抱かれてみていた子です。

4年前は小さい子供でしたが、もう兵団に入れるほどの年齢になりました。

ルイーゼは、懲罰房の部屋がミカサが入ったところか聞くほど、ミカサを尊敬しています。

ルイーゼは憧れのミカサと同じ境遇に立ったということから、全く悲壮感がありません。

ルイーゼは

勝利することが調査兵団の目的なら
規則を守ることは必ずしも絶対であるわけではありませんよね

と自己正当化をします。

ミカサはエレンと共に規則をよく破っていたので、反論できないです。

ルイーゼは巨人を人の力でねじ伏せたミカサを見て

私達は理不尽な暴力と戦っていいのだ

と学びました。

ルイーゼは何の迷いも無い目で調査兵団の「心臓を捧げるポーズ」をミカサに行います。

ルイーゼとミカサ:『進撃の巨人』109話「導く者」より引用

ルイーゼとミカサ:『進撃の巨人』109話「導く者」より引用

フロックもそうですが、何の迷いもなく、自分の正義を信じているルイーゼも危ういですね。狡猾な悪人に利用されなければ良いのですが。

ミカサはエレンに助けられた時のことを思い出してひどい頭痛に見舞われます。

イェレナとピクシス司令の化かし合いとは?

拘束された義勇兵のリーダー・イェレナをピクシス司令が尋問しています。

ピクシスはイェレナがフロックを洗脳して、味方に引き入れることでエレンに近づいたと推測しているようです。

エレンがイェレナと接触したと思われるときから、エレンが変わり、単独行動をするようになったことから、イェレナがジークの思想と計画をエレンに吹き込んだのは間違いなさそうですね。

ガビとカヤの「歴史認識」論争とは?

ガビとファルコはブラウスの牧場で暮らしながら、マーレの助けを待ちます。

ファルコはマーレにいる兄・コルトとライナーが助けに来てくれると信じています。

108話ではライナーがパラディ島への奇襲を進言していたので、ファルコの読みは正しいです。ファルコはライナーの優しさを知っているからこそ待てるのでしょう。

ファルコたちは、助けてくれた女の子・カヤたちが孤児で女王ヒストリアが建設した牧場で手厚く支援されていることを知ります。

ガビは4年前に獣の巨人たちが行った虐殺の話題をすると、

ガビは

罪を受け入れてないようですね

と、詰問モードに入り

この島の民が世界に対して残虐非道の限りを尽くした歴史をお忘れですか?

と問い詰めます。

ガビは歴史認識の話になると、スイッチが入ってしまうようで、ファルコも止められません。

ガビはエルディア人の一人一人が「罪の自覚を正しく持つことでようやく永遠の贖罪への道が開かれる」とマーレで教えられたとおりの言葉を言って、カヤを丸め込もうとします。

しかし、カヤは

みんなが親を亡くしたことと関係があるの?

と反論すると、ガビは「当然です」と即答。

そして、ガビはカヤに

いくら善人のように振る舞おうとも逃れられる罪の重さではありません。

と昔の人が起こした罪を現在のエルディア人すべてにかぶせます。

カヤはここで、

マーレではそう教えられてるの?

と衝撃発言をしますが、熱くなったガビは

普遍的な歴史観の話だからはっきり言わなきゃいけないの

「歴史観」という言葉まで出してきます。

「歴史観」という言葉、現代世界の歴史認識問題やナショナリズム問題とも類似していますね。

それよりも、ファルコはカヤがファルコたちが「マーレから来た」ことを知っていたことに驚きます。

カヤはガビとファルコを助ける前に二人の会話を聞いて、真相を知っていたのです。

ガビは「悪魔が正体を現した」と鋤《すき》を持って殺そうとします。

ガビの中ではパラディ島の悪魔が親切なわけがないので、騙されて陥れられたと思ったようです。

ファルコはどうにかガビをおさめて、4年前に巨人に襲われた自分が住んでいた村に連れて行きます。

カヤの村は3mの巨人に襲われ、カヤは足の悪い母を目の前で食べられるというショッキングな経験をします。

カヤの感情の起伏の少ない顔と、常に暗い雰囲気は、そのときの経験が影を落としているんでしょう。

カヤはなぜ自分の母親がマーレによって残酷な殺され方をしなければならなかったのか、ファルコとガビに聞きます。

ガビはエルディアの呪われた歴史である

  • 何千年もの間巨人の力で世界を支配し蹂躙してきた
  • 他の民族の文化を奪った
  • 望まない子を産ませた
  • 数え切れないほど人を殺してきた

を蕩々《とうとう》と語り、世界はこの罪を決して忘れないから、被害者ぶるのはやめるように言います。

しかしカヤは母が生まれ育ったのはこのあたりで、昔の酷いことには加担していないと反論します。

ガビは100年前の巨人大戦でパラディ島勢力が犯した罪が問題と言い返します。

カヤは今生きている自分たちが一体何の罪を犯しているか聞くと、ガビは

先祖が世界中の人を虐殺したから

と答えます。

カヤはここで感情をやっと表に出し、

お母さんは誰も殺していない

と激昂します。

ファルコは、4年前のマーレの作戦は「威力偵察《いりょくていさつ》」であり、パラディ島の戦力を調べるために行った実験的攻撃だったとばらしてしまいます。

その上で、カヤに対して

お母さんには何の罪もありません
ごめんなさい 何も悪くないのに

と謝罪します。

ガビは軍の秘密を漏らしたファルコを攻めますが、カヤは教えてくれたことをファルコに感謝し、その上でマーレで生まれただけのファルコが謝ることはないと言います。

なぜカヤはファルコとガビを助けたのか?

カヤがなぜファルコとガビを敵と知りながら助けたかというと、それはカヤが巨人に襲われたとき、年上の女性に助けられたからでした。

その年上の女性は斧で巨人に対抗し、弓矢で巨人の足止めをしました。

サシャとカヤ:『進撃の巨人』109話「導く者」より引用

サシャとカヤ:『進撃の巨人』109話「導く者」より引用

ここでその「年上のお姉ちゃん」というのは2012年8月9日発売の『別冊少年マガジン9月号』収録の『進撃の巨人』36話「ただいま」のサシャだったことが分かります。

諫山創と編集の川窪氏による対談(『オトメディア』の10月号 2013年)で、サシャは36話でカヤを助けるときに死ぬ予定だったとされています。

しかし、諫山創は「死ぬのはここじゃない。もっとふさわしい場所があるんじゃないか」と生かすことにしました。

サシャはガビにライフルで狙撃されて死ぬことになり、ガビはサシャが助けたカヤに助けられることになりました。

ガビは自分が殺したサシャが助けた少女に助けられたことは、今は分かっていません。

カヤはブラウスと一緒にマーレの人が働いているレストランに行くことになっていて、ファルコとガビを連れていき、マーレに帰る方法をさぐることにしています。

レストランのマーレ人はニコロのことですね。ここに行き、ニコロと話せば、ガビは自分が殺したのがサシャということが分かるでしょう。

そうなれば、ガビは罪の意識を感じ、さらに悩むこととなるかもしれません。

最後の煽りは

殺す側、殺される側
生かす側、生かされる側
知らず知らず交錯したその先に…

とあります。

今回はバトルシーンはなく、心理的な描写が多い印象的な回となりましたが、今後もいろいろな葛藤が描かれそうです。

『進撃の巨人』109話「導く者」まとめ

109話「導く者」を簡単にまとめると

  • ガビとファルコがサシャの家族が経営する牧場で働く
  • キヨミが来訪し、「地鳴らし」の効果を見に来た。
  • ハンジがリーブス商会と記者と対立する
  • フロックたちがハンジに懲罰房に入れられる
  • ピクシス司令が義勇軍イェレナを問い詰める
  • カヤは4年前、サシャに助けられた女の子と判明

となります。

『進撃の巨人』110話 展開予想

110話「偽り者」のネタバレ考察はこちらを見てください。

110話も引き続き、ガビとファルコの話となると思います。

ガビがニコロと会い、自分が殺してしまった女性がサシャと気づき、子供の頃から教わってきたことに疑問を持つようになるでしょう。

サシャたちブラウス家はエルディア人ではなく、マーレ南方から来た他民族で、ガビは悪魔と思っているエルディア人以外の人を殺したという葛藤もあると思います。

ハンジが「地鳴らし」の実験をシガンシナ区で行い、旧王政時代の中央憲兵のように、民衆から恨まれるという展開もありそうです。

「地鳴らし」がタイバー家ヴィリーやジークが言っていたとおりに制御できず、壁内が破壊され大混乱しそうです。

壁に閉じ込められている巨人は、超大型巨人に匹敵する大きさなので、無事では済まないでしょう。

「地鳴らし」の実験を見たヒィズル家のキヨミがどう判断し、本国にどう伝えるかも気になるところです。

キヨミとしては「地鳴らし」がうまくいかなかったとしても、氷爆石という資源が手に入ればいいわけで、土壇場で裏切る可能性もなきにしもあらずです。

ミカサが将軍の血筋というのは、氷爆石を手に入れるための口実に過ぎず、ヒィズル国本国の首脳部も今更将軍の末裔に帰ってこられても困るでしょう。

壁内が「地鳴らし」実験で混乱しているときに、ライナーたちマーレ軍来襲ということもありそうです。

ライナーは奇襲攻撃をかけることを進言していましたから、少数精鋭で来るかもしれませんが、車力の巨人・ピーク、顎の巨人・ガリアードも来ると思います。

妊娠したとされるヒストリア・レイス女王も再登場しそうです。

本当に妊娠したのかという疑問がネット上でも見られますが、時間稼ぎのための策である可能性も高いです。

その策にはアルミンが関わっていて、いずれジーク・エレンの策と衝突し、対立することになりそうです。


『進撃の巨人』がついに完結しました。最終34巻の考察と34巻を無料で読む方法はこちらを見てください。

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