進撃の巨人

進撃の巨人 115話「支え」考察 感想 リヴァイ死亡!? ジークを腹に飲み込んだ巨人少女は誰?

『進撃の巨人』がついに完結しました。最終34巻の考察と34巻を無料で読む方法はこちらを見てください。

諫山創『進撃の巨人 第34巻』 (週刊少年マガジンコミックス) 表紙画像


こんにちは! 月に50冊以上マンガを読むコウテツユウギです。

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2019年3月9日(土曜日)発売の『別冊少年マガジン 4月号』収録の諫山創『進撃の巨人』115話「支え」を読みました。

以下ネタバレありの考察と感想(レビュー)なので、未読の方はご注意ください。

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114話では「獣の巨人」ジークの態度に激昂したリヴァイ兵長が「雷槍《らいそう》」を爆発させ、二人とも吹っ飛んでしまいました。

いつも冷静沈着なリヴァイとしては珍しいほどの怒りようです。

4年前に受けた仕打ちをいまだに許さないでいるようです。

さすがに雷槍を喰らったジークは内蔵も吹っ飛んでしまい、意識も途切れそうになります。

死ぬ間際のジークが思い出すクサヴァーとの対話

野の花に横たわるジークは、クサヴァーとの記憶をまた思い出しています。

巨人研究者・クサヴァーによると

  1. 壁の王が「始祖の巨人」を封じるために課した「不戦の契り」を破る方法がある
  2. それは「王家の血を引く巨人」(ジーク)であれば可能
  3. ジークが「始祖の巨人」保有者と接触し、能力を引き出せる
  4. ただ始祖の巨人の力を使えるのは、あくまで始祖保有者(エレン)

とのこと。

ここまでは概ね今まで明らかになっていることですね。

クサヴァーが言うには、母親から王家の血を引くジークは「鍵」であり、エルディア人「安楽死計画」を理解してくれる人に始祖の巨人になってもらうのが良いと言うことです。

そのクサヴァーの「獣の巨人」を継承し、記憶も意志も(お洒落メガネも)受け継いだジークは、マーレの中で戦果を上げ、出世していきます。

その過程で出会ったのがイェレナ達、ジークの信奉者となる者達でした。
特にイェレナはジークに直接命を救われたことから、信仰にも近い気持ちを持っています。

ジークが弟・エレンのことを知ったきっかけと兄弟の父への反抗

ジークはマーレで信奉者を増やしているときは、弟・エレンの存在も知らなかったようです。

ジークからすれば、自分が「楽園送り」にしたグリシャは、大昔に死んだと思ってしまうのは当然です。

ライナーとベルトルトからエレン・イェーガーが「始祖の巨人」を継承していることを知ったジークは、弟が父・グリシャに洗脳されてしまっているだろうことに深く同情しています。

ジークは「父さん」と親しみを持って呼べる父は自分を認めてくれた「クサヴァー」であり、グリシャは「あの父親」と突き放した言い方をしています。
自分を道具扱いしたグリシャを父親とは認めていません。そして、エレンが同じような目に遭っていると思うのです。

ジークは自分とエレンは「父親の被害者」であり、「父に洗脳された」という認識です。

ジークが4年前にパラディ島にきたときに言った

いつかお前を救い出してやるからな

と言った言葉は、ジークのこの認識からきていました。

エレンがジークに加担する原因となったヒストリアとの接触

しかし、エレンにとって、父グリシャは子煩悩で妻を愛す、朗らかな男でした。

道具のように扱われたジークとは違う教育を受けているので、ジークの全エルディア人「安楽死計画」というのに同調するとは考えにくそうです。

エレンの考えが180度変わったのは、女王となったヒストリアの手の甲に口づけをした時です。

始祖の巨人を継承しているエレンが王家の血を引くヒストリアと接触したため、グリシャの記憶が甦ったのです。

エレンが見たのは、父・グリシャが「進撃の巨人」を用いて「始祖の巨人」を倒しただけではなく、王家の血を引く小さな子ども達を虫のように虐殺する光景でした。

グリシャが行ったことは、自分の「エルディア人の国復興」「新生エルディア帝国」という目的のために手段を選ばず、幼い命を殺すという行為でした。

エレンは父のこの行為はやはり間違っていて、エルディア人が存在すること自体が世界に不幸をもたらすと認識しています。

エレンは

  • この世に生まれないことが最高の救済
  • 自分が巨人支配の2,000年の歴史にケリを付ける

と兄・ジークに宣言します。

図らずもジークは最大の理解者を得て、自分の計画を進めることになりました。

ここで『進撃の巨人』は神話の世界から普遍的なテーマである「父殺し」の物語であることも分かります。

まぁ旧約聖書「創世記」にあるカインとアベルの物語のように兄・弟が対立する話も多いので、今後また些細な切っ掛けで対立するという展開もあり得そうですが。

『進撃の巨人』とグノーシス思想

キリスト教との関わりから考えると、エレンとジークの「生まれてこないことが一番良かった」というのはキリスト教の異端・グノーシス思想とも似通っています。

グノーシス主義は物質世界は罪悪であり、肉体を持って生まれること自体を不幸とします。

エレンもジークも、エルディアの人たちが酷い境遇におかれながらも、日々の些細な喜びや日常生活の輝きから生きる意味を見いだしているということを忘れてしまっているようです。

グリシャのエルディア復興というイズムも極端ですが、ジークのエルディア安楽死も極端にすぎる思想です。主義が人間よりも上位になってしまうと不幸しか生みそうにないです。

ジークを胎内に戻して救った少女は誰か?

ジークは過去を回想しながら、死につつあります。

さすがの「獣の巨人」所有者でも雷槍で身体を真っ二つにされてしまえば、回復できないのでしょう。

このまま死ねば、ジークの獣の巨人は継承されずに、エルディアの新生児にランダムに継承されることとなります。

そんなジークのもとに現れたのは、一見普通の少女ですが、なぜか巨人に変身できるという人物です。

諫山創『進撃の巨人』115話「支え」ネタバレ考察と感想

stock unlimited より

この少女は巨人化してジークを自分の胎内におさめます。

いきなりのジーク母胎回帰。この少女、どこかで見たような覚えもあるのですが、どこだったのか思い出せません。

ヒストリア女王が経営する孤児院の子だったかなぁ、、

シガンシナ区でイェレナとピクシスが直接対決

ジークの脊髄液をワインに混ぜられて飲んでしまったピクシス司令たちは、イェレナ達・エレン派の言うがままの状態です。

もしジークが近くで咆哮すれば、「無垢の巨人」となってしまうわけで、抵抗できなくなったのです。

自分たちが忌み嫌っていた「巨人」になってしまうというのを恐れる気持ちというのは分かります。

イェレナはジークの狂信者であることを隠そうともせず、ジークを神とまで崇めています。

今後一番恐ろしい、残虐な行動をしそうなのはやはりイェレナですね。

中世の魔女狩りや異端審問という歴史をあげるまでもなく、宗教が絡んだ戦争は際限がありません。

リヴァイ兵長死亡!?ハンジが「死亡確認」を宣告

調査兵団団長のハンジは、ジークとリヴァイ爆破の現場に着きます。

そこではリヴァイも倒れていて、ハンジはリヴァイが雷槍の爆撃に巻き込まれて死んでしまったことを宣言します。

ハンジによると、至近距離で雷槍の爆発を受ければ、内臓がズタズタにやられて死ぬとのこと。

研究者であり、雷槍開発者のハンジのこの言葉は、普通の人間に対しては正しいのでしょう。

しかし、リヴァイは巨人研究の副産物として生まれた超人「アッカーマン一族」です。

内臓も普通のエルディア人よりも強く、これで死ぬとは考えづらいです。

ハンジのねらいとしては、リヴァイがもう死んだことにすれば、死体にまで危害を加える者がいなくなるだろうということでしょう。

実際、フロックはリヴァイが死んでいないなら、銃でトドメを刺すつもりでしたし。

やはり「リヴァイ死亡」はハンジのブラフと考えられますが、血まみれの姿を見るとどちらにせよ重傷で、放っておくと危ないというのは間違いなさそうです。

少女の胎内から復活したジークは何を見たのか?

ジークは少女の胎内から再生し、傷も完全に治っています。

この少女は、ジークが死の間際に見た幻想ではないかと思いましたが、実在の巨人でした。

ジークが少女の胎内で見ていたのは、

見知らぬ少女が、見知らぬ場所で「土をこねて」ジークの身体を作った

ということです。

土をこねて身体を作るというと、旧約聖書「創世記」のアダムの作り方を思い起こします。

ただ、中国神話の「女禍《じょか》」も土から人間を作り出したという物語なので、普遍的なものなのでしょう。

造物主が女性という点では、謎の少女は女禍的でありますね。

ジークはその過程で「道」を見たと言います。

「道」は「座標」とはまた異なるもので、何らかの方向を指し示しているのでしょう。『進撃の巨人』ループ説は根強いので、輪廻《りんね》のようなものであるのかもしれません。

ジークは少女の胎内で再生することでずいぶん若返ったように見えます。

身体的には完全回復したジーク、「獣の巨人」による寿命の制限というのもリセットされたのでしょうか?

今のところ、突如現れた謎の少女が本当に謎すぎて、何も予想が付きません。

進撃の巨人における「神」的な存在なのか、まだ明らかになっていない特殊な「巨人」の一人なのか、謎が深まるばかりです。

ピークちゃんがガビを助け、エレンを暗殺する?!

謎の少女が現れる中、マーレの少女・ガビは幽閉されています。

そこへ現れるエレン。

ファルコを助けたかったら協力しろ

と命令します。

ここでの「助ける」というのはジークの脊髄液入りワインを口にしてしまったファルコを巨人化させない方策ということでしょうか。

エレンはガビに内通者になれと言うわけですが、後ろにいた女性兵士が突如同僚男の首を刺して、エレンに拳銃を向けます。

なんと、女性兵士は変装したピークちゃんでした。

ピークは、イェレナがマーレに潜入したと同じ方法で敵陣深くまでたどり着いていました。

ガビとファルコを助け出すために、ピークだけではなくライナーも潜入していますし、ジークとエレンの計画も思い通りには進まなそうです。

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リヴァイ兵長は生きている!

とにかく気になるのがリヴァイ兵長の生死ですが、ハンジがリヴァイを連れて川の中に身を隠したことから、生きていると考えて良さそうです。

本当に死んでいるなら、その亡骸をかかえて水に入ることはしないです。

ただ、重傷のリヴァイを連れて、ハンジがどこまで逃げられるかが心配です。

ピークちゃんはエレンをどうするのか?

115話の最後で、ピークがガビを助けに現れました。

首尾良くエレンを見つけ出し、接触を図ったことはさすがです。

ただ、自動小銃程度の火器でエレンを倒せるとは思えませんし、ピークもそれを承知でしょう。

もし撃ったとしても、エレンが巨人化してしまえば効果はありません。

エレンが巨人化すると、ピークも巨人化して対抗すれば良いのですが、そうなるとガビがやられてしまい、本来の目的を失ってしまいます。

ピークとしては、ライナーたちと合流するための時間稼ぎといったところでしょうか。

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