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キングダム 579考察 感想 信と王賁の演説が奇跡を起こす「十二日目の朝」

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2018年11月8日(木)発売の『週刊ヤングジャンプ 49号』(電子版)を買って、原泰久『キングダム』579話「十二日目の朝」を読みました。

以下ネタバレありの考察と感想(レビュー)なので、未読の方はご注意ください。

578話「明日までに」のネタバレ考察はこちらを見てください。


朱海平原の戦いは12日目を迎えました。

兵糧もなくなった上、大将の王翦《おうせん》からの援軍も支援物資も届きません。

玉鳳隊《ぎょくほうたい》の隊長である王賁《おうほん》は、王翦の息子ですが、実の子ではないという疑惑があるため、見捨てられてしまったかもという疑惑もただよっています。

朱海平原の戦い12日目の朝 ボロボロの秦軍

飛信隊《ひしんたい》も隊員も連日の疲れから全く元気がありません。

尾平も信に声をかけますが、信はちょっと上の空な感じです。

玉鳳隊は負傷している兵が多く、王賁はねぎらいの言葉を書けていきます。

王賁は信とかの同僚には高慢でイヤなやつですが、部下にはとことん優しく、部下の信頼もあついです。

趙軍の必殺の布陣に河了貂絶望?

亜光将軍を失っている亜光軍と飛信隊、玉鳳隊は趙軍と対峙しますが、趙軍は秦軍の兵糧の状況を知っているため、今日で決着を付けるつもりのようです。

趙軍は歴戦の名勝・尭雲、馬南慈の軍がほぼ無傷で残っていて、戦力も士気も秦軍とは比べものになりません。

信と王賁の演説で兵士達の士気が動く?

飛信隊の軍師・河了貂《かりょうてん》が絶対的な不利を悟り、絶望する中、信は飛信隊の前で大演説を始めます。

飛信隊に演説を始める信:『キングダム』579話「十二日目の朝」より引用

飛信隊に演説を始める信:『キングダム』579話「十二日目の朝」より引用

玉鳳隊の王賁も同じく自分の隊の前で兵士に語りかけています。

どちらの隊も100人から始まり、今では秦でも認められる部隊となりました。

秦は飛信隊の今までの戦いの歴史を振り返りながら、5,000人隊(羌瘣隊と合わせれば8,000人隊)にまで成長したことを物語ります。

ただ、信は

だけど まだまだだ
俺は 天下の大将軍になる男だ
その刻には俺の下には数十万の兵がいる

とぶちあげます。

絶望的な状況にあっても、ビジョンを語り、将来へのかすかな光を見せ、絶望に沈む兵士を救う見事な方策です。

さらに信は、その成長して大軍団となった飛信隊の中心は「今ここにいるお前たちだ」と自尊心をくすぐる言葉をかけ、飛信隊の士気はグングン上がっていきます。

信は朱海平原で奇跡を起こして勝ったことで、天下の大将軍につながったことを語り継ぎたいと言います。

これは古代であっても、歴史に名を残し、後世に語り継がれることを誇りとする中国文化の思想が色濃く表れていますね。

日本人にはなかなかこうした演説は効果が薄いでしょうが、秦軍への効果はばつぐんです。

信は

力を貸してくれ 飛信隊
俺はっ お前達と一緒に天下の大将軍まで突っ走るんだ

と檄を飛ばすと、共感した飛信隊の面々は男泣きしながら、士気は最高潮にまで上がり、爆発します。

玉鳳隊でも王賁が同じような演説をしたようで、玉鳳隊の士気もマックスにまで上がっています。

趙軍は突然の飛信隊と玉鳳隊の覚醒に驚きますが、自分たちの優勢は変わらないので、おうように構えていました。

しかし、信は戦術も何もなく、全軍総攻撃を行い、趙の度肝を抜きました。

趙の尭雲たちも、秦軍の戦術を研究し、馬南慈は亜光の防壁を破る快挙をなしました。

しかし、戦術もなにもない総攻撃でこられたら、趙軍も同じように対処するしかありません。

だいたいこういう戦術は先に仕掛けた方が有利なので、信はかなりの賭けを行っていると見せながら、実は合理的な判断といえるでしょう。

『キングダム』579話「十二日目の朝」まとめ 感想

『キングダム』579話「十二日目の朝」を簡単にまとめると

  • 朱海平原の戦い 12日目がはじまる
  • 趙軍は秦軍の兵糧がなくなることを知り、叩き潰すつもり
  • 信が飛信隊に演説し、士気が爆発
  • 王賁も玉鳳隊に演説し、士気が爆発
  • 信が飛信隊に戦術無視の総攻撃をさせる

となります。

1日で覚醒するのは難しいのではないかと思ったら、信の言葉で一気に覚醒が起りました。

紀元前でもここまで言葉の威力を大事にしていた中国の底力と強さと感じさえる回でした。

中国は官僚や将軍ですら詩を読み、文章を書く文武両道が必要とされる国ですが、秦が中華を統一する前から、すでにその思想は始まっていました。

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戦術無視の総攻撃をしかけた信ですが、王賁率いる玉鳳隊も同じような行動をとる可能性が高いですね。

そうなると、いきなりの戦術無視の行動に混乱した趙軍にかなりの損害がでると思います。

尭雲も、馬南慈も歴戦の経験があり、既存の戦術に対する対応力は凡百の武将ではかないませんが、戦術を無視されて虚をつかれるともろい部分が出てきてしまいそうです。

ただ、それは一時で気で趙軍は反撃に移るでしょうから、やはり両軍主力の削りあいとなるでしょう。

そうなると、士気が上がり、ボルテージマックスの秦軍が俄然有利になってくると思います。

王翦はこのことを予期していたのでしょうか?たぶん正確には予期していなかったでしょうが、信も王賁も窮地でかならずレベルアップするということは分かっていたのでしょうね。

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