キングダム

キングダム 585-586考察 感想 尭雲の雷獄で王賁が死の危機に?

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『キングダム』最新話 『キングダム』605話「王翦の読み」の考察と感想(ネタバレ有レビュー)はこちらを見てください。

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2018年12月27日(木)発売の『週刊ヤングジャンプ 4・5合併号』(電子版)を買って、原泰久『キングダム』585話「雷獄」を読みました。

以下ネタバレありの考察と感想(レビュー)なので、未読の方はご注意ください。

584話「数十騎」の考察と感想(ネタバレ有レビュー)はこちらを見てください。

朱海平原の戦い 13日目。

秦軍の右翼では亜光将軍が討たれ、信の飛信隊と王賁《おうほん》の玉鳳隊《ぎょくほうたい》が踏ん張っています。

危機的状況にある信と王賁は、隊の仲間たちに檄を飛ばすことで覚醒させ、両隊の士気は最高潮に高まりました。

趙軍左翼の尭雲《ぎょううん》・馬南慈《ばなんじ》・趙峩龍《ちょうがりゅう》は信と王賁の勢いにやられ、後退を余儀なくされます。

趙軍の左翼をさがらせたことで、秦軍の総大将・王翦《おうせん》がついに動き出しました。

しかし、李牧の策で王賁が狙われ、「人外の武」である尭雲と直属の「雷雲」部隊が玉鳳隊に迫り、次々と玉鳳隊の防壁を剥がして行っています。

尭雲の「雷獄」に苦戦する玉鳳隊の運命は?

玉鳳隊の兵士も手練れぞろいですが、尭雲が育て上げた雷雲部隊と選び抜かれた「十槍」にはまだ歯が立たないようです。

それにしても、尭雲は数十騎で攻めてきているので王賁の隊には数では負けています。

いくら虚を突いても、数で押されればどうしようもないはずですが、尭雲将軍の登場で玉鳳隊の面々も威圧されてしまいます。

尭雲はかつての主・趙の三大天である藺相如《りんしょうじょ》をたてるために目立たないようにしていた節がありますが、単純な武力で言うと各国の大将軍クラスの力がありそうです。

尭雲のこの精鋭のみを集めて、一気に敵将を討ちに行く陣は「雷獄《らいごく》」という名が付けられています。

この「雷獄」は趙の軍師が知恵を絞り、「秦六将」を討つために考案された業です。

この業を作るのには李牧も参加していたでしょう。確かに秦は大将軍の個性が強く、求心力が強い分、大将を失ってしまえば脆いところがありそうです。

この「雷獄」を秦以外の大将軍に使ったこともあり、そのときは生き残った将軍は一人もいなかったとのこと。

趙が相手にした列国というと「魏」「楚」「燕」あたりでしょうか。どの国も強国であるため、雷獄に絡まれた王賁はかなりのピンチです。

副将・番陽が趙峩龍に足止めされ、王賁が本格的に危ない

玉鳳隊の右翼では副長の番陽《ばんよう》が趙峩龍を押さえていますが、王賁本陣の異常に気づき、駆けつけようとしています。

王賁を子供の頃から見守ってきた老将・番陽だからこそ王賁の陣にも目配りをしていたため気づくことができたのでしょう。

300騎で王賁のもとにかけつける番陽ですが、趙峩龍に行く手を阻まれてしまいます。

尭雲の雷獄はこうして敵を足止めする協力者がいることにより「必殺」の業となりました。

番陽も「はめられた」と気づきますが、気づいたときにはすでに遅く、尭雲の電撃作戦は完成しています。

ビジネスにおいても相手の意表を突き、最初に一番重要なところを取ってしまうというのは重要ですね。まさに「拙速は巧遅に勝る」と言われるとおりです。

王賁の右腕である関常《かんじょう》はどうにか若(王賁)を救おうとしますが、「雷雲」と十槍の鉄壁の守りに阻まれて近づけません。

孤立させられた王賁は「龍巣《りゅうそう》」という槍での乱れ打ちでどうにか対抗しますが、360度敵に囲まれていて後ろから狙われてしまいます。

いくら手数に勝っていても、これだけ敵に囲まれていては討たれてしまうと思いきや、王賁は「影龍指《かげりゅうし》」で背後の敵まで撃破します。

プロのサッカー選手は自分を俯瞰してみることができ、後ろの敵の存在の動きも手に取るようにわかるといわれていますが、王賁も真後ろの敵までまるで目で見ているかのように対応していますね。

雷獄を突破した王賁、しかし本当の恐怖は尭雲

関常が外から敵を破り、内から王賁が破ることで、なんとか不敗を誇る「雷獄」を突破できました。

しかし、雷獄が突破されても、そこには「人外の武」尭雲がいます。

むしろ雷獄は王賁を留めておくための足止めにすぎず、尭雲VS王賁という場を整えるための布陣だったと言えるでしょう。

趙の三大天の武をつかさどる尭雲の矛の重さは王騎の矛をもらった信を吹き飛ばすほどの威力でした。

王賁の槍は名品とは言え、重量や硬度では矛に劣りそうです。

正面から一対一で戦えば、王賁もかなり危ないでしょう。

関常もそのことを察知したのか、自分が犠牲になってでも尭雲を
止めに入ります。

関常は王賁に迫る尭雲の攻撃の前に完全に手を広げて仁王立ちします。

関常は王賁を守るために自分は犠牲となる覚悟です。このままでは関常の死は確定的となりそうです。

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なんとか尭雲の包囲陣・雷獄をやぶり、脱出した王賁。

関常が身を挺して王賁を助けますが、尭雲の勢いは収まりそうもありません。

戦闘においては、実力ももちろん重要ですが、勢いというモノが重要となってきます。朱海平原12日目の戦いではいきおいに乗った王賁が押していましたが、13日目は虚を突いた電撃作戦を行う尭雲に流れが来ています。

関常が身を挺して王賁を逃がしたとしても、周りには尭雲部隊の手練れが揃っています。

雷雲部隊と十槍の追撃を王賁はかわすことができるのでしょうか。

趙峩龍に足止めされている番陽が追いつくまではまだ時間がかかりそうです。

王賁は「龍巣」と「影龍指」という技があるため、すぐにはやられないでしょうが、尭雲のパワーのある一撃で少しずつ体力を削られていくでしょう。

いくら王賁とは言え、疲労とダメージがたまれば集中力が途切れ、攻撃をくらうことが多くなるでしょう。出血が続けば失血死という最悪の事態にもなりかねません。

13日目は「王賁が討たれる」ということが確定的に語られていますが、それは王賁の死を意味するのか、亜光のように再起不能になり、戦線離脱するのかまだ分かりません。

しかし、王賁の玉鳳隊は尭雲によって撃破される形となり、信の飛信隊が尭雲・馬南慈・趙峩龍という三将軍を相手にすることになるのは間違いないでしょう。

そうなると、さすがの軍師・河了貂《かりょうてん》でも打つ手がなくなり、秦軍右翼が壊滅と言うことになりかねません。

秦軍の右翼が壊滅すれば、秦軍の中央軍・王翦が趙軍左翼と李牧の中央軍に挟撃されることとなり、押されてしまいます。

いくら王翦とは言え、挟撃されればひとたまりもありません。

王翦は王賁の脆さを把握しているので、王賁が討たれてしまうと言う最悪の結果も予想しているかもしれません。そうであるなら、秦軍右翼に何らかの保険をかけている可能性もあります。

山の王・楊端和は自らを囮とするという奇策で犬戎王ロゾを討ちました。

王翦も楊端和以上の奇策で李牧の目論見を打ち破りに来そうです。

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