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キングダム 591-592 考察 感想 飛信隊 VS 趙峩龍 三大天の「盾」を信の矛は敗れるのか? レビュー【最新話】

こんにちは! 月に50冊以上マンガを読むコウテツユウギです。

『キングダム』最新話 『キングダム』605話「王翦の読み」の考察と感想(ネタバレ有レビュー)はこちらを見てください。

605話
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2019年2月28日(木)発売の『週刊ヤングジャンプ 13号』(電子版)を買って、原泰久『キングダム』591話「三大天の盾」を読みました。

以下ネタバレありの考察と感想(レビュー)なので、未読の方はご注意ください。

590話「攻め偏重」の考察と感想(ネタバレ有レビュー)はこちらを見てください。

秦軍と趙軍の激闘が続き、朱海平原《しゅかいへいげん》の戦いも14日目を迎えました。

秦から遠征してきている飛信隊たちはもう兵糧も尽き、亜光将軍・王賁《おうほん》も討たれて満身創痍です。

勝負の鍵を握る秦軍・右翼の総大将に信が抜擢されました。

男なら、いや女性でも人生をかけた大勝負をしなければならないときがあります。信や河了貂にとって、この戦いはまさに今後の人生がかかっています。

飛信隊の軍師である河了貂《かりょうてん》は私情を捨てて、守りを無視した「攻め重視」攻撃力に全振りした陣形で戦います。

この作戦が吉と出るか、凶と出るか。油断ができません。

秦軍 右翼 VS 趙軍 左翼の死闘が始まる

秦軍の右翼と趙軍の左翼の布陣は

  • 玉鳳隊 VS 尭雲軍
  • 飛信隊 VS 趙峩龍軍
  • 亜光軍 VS 馬南慈・岳嬰軍

となっています。

玉鳳隊は隊長である王賁を尭雲の「十槍」に討たれて、恨み骨髄に達しています。

この激情が士気を高めていますが、その分冷静な判断力を失わせないか心配です。

飛信隊は防御を捨てて趙峩龍《ちょうがりゅう》に迫りますが、歴戦の強者である趙峩龍は簡単には撃破できないでしょう。

亜光軍は肝心の亜光将軍を討たれているうえ、馬南慈《ばなんじ》という匈奴《きょうど》をも倒した将軍ともういちど激突しなければなりません。

さらには岳嬰軍(岳嬰将軍は死亡)が加わっているので、戦力的には相当不利です。

飛信隊 VS 趙峩龍 河了貂は敵の裏をかけるのか?

飛信隊の軍師・河了貂は「攻め偏重」のノーガード戦法で趙峩龍軍に迫ります。

でもそれは、破れかぶれではなく、綿密な計算づくの戦い方でもありました

旧日本軍の玉砕みたいな考え無しの突撃ではありません。

河了貂は「敵を欺く」ため、まず隊長・信と副長・羌瘣《きょうかい》以外の兵を防御無視で突撃させました。

守りを捨てて、電撃作戦で騎馬隊を先に進ませたため、趙峩龍軍はかなり損耗しています。
ナポレオン、源義経を例に出すまでもなく、古代では騎馬による機動戦は敵の虚を突くと効果ばつぐんです。

ここで敵をかなり押し込むことで、趙峩龍に飛信隊の実力を測らせます。

趙峩龍が飛信隊の力量を判断し、対策を練ろうとしたところで、河了貂は信と羌瘣をぶつけるつもりなのです。

これは言ってみれば、信と羌瘣を温存するために他の部下を犠牲にするという「苦渋の決断」です。河了貂にとっては、採りたくない作戦でしょう。

しかし、突撃する部下達も河了貂の苦痛を知っているため、文句一つ言いません。

玉鳳 VS 尭雲 老兵・番陽が死に急がないか心配

玉鳳隊は隊長・王賁を討たれてしまいましたが、対する尭雲《ぎょううん》軍はほぼ無傷といえます。

尭雲も、直轄の「十槍」も健在なため、玉鳳隊・副長の番陽はかなりの苦戦を強いられています。
もういちど尭雲が「雷獄《らいごく》」を発動して、番陽を討とうと狙ったなら、番陽の命はかなり危ういでしょう。

前回、番陽が気負いすぎて「死亡フラグ」が立ってそうだと書きましたが、番陽はかなりの矢傷を受けていて、もう満身創痍です。

近代になってペニシリン等の抗生物質が発明される前は、こうした小さな傷だけで、命取りとなります。

矢に毒が塗られている可能性もあります。

番陽は王賁の仇を討てれば、死んでも本望と思っているかもしれませんが、信とのかけあいが聴けなくなると思うと、生き残って欲しいと願うしかありません。

亜光軍 VS 馬南慈軍の動き トリックスター亜花錦の活躍

どの軍も厳しい戦いを強いられていますが、一番厳しいと言えるのが亜光軍です。

亜光将軍は、王翦《おうせん》直伝の鉄壁の防陣を馬南慈に破られて、討たれてしまいました。

馬南慈軍は健在な上、岳嬰は討たれたものの岳嬰軍の精鋭が馬南慈軍に加わっています。

普通に戦っていては、絶対に勝ち目はありません。

亜光の防陣が通じなかったのならば、馬南慈がもう一度突撃するだけで壊滅してしまう可能性すらあります。

ここで勝負をかけるのは亜花錦《あかきん》です。
亜花錦は亜光が討たれる直前に、亜光を助け出した将軍(千人将)です。

かなり変わり者で、クセが強いトリックスター的な将軍ですが、肝も据わっています。

普通に戦っても勝ち目はないため、亜花錦はいきなり馬南慈将軍の首を狙いに行くことに決めます。

ほぼ単身で敵の本陣に攻め入るという、命を懸けた「かぶき者」ですが、成功する確率は限りなくゼロに近いとも考えられます。

それでも亜花錦なら「ギギギ」と笑いながら、やってくれるんじゃないかと思わせてくれます。

趙峩龍の防陣「隔砂陣』は趙三大天の「盾」?

飛信隊のほぼ捨て身の突撃を受け続けた趙峩龍軍は、

土雀《どじゃく》を第三防陣に入れて、

隔砂陣《かくさじん》

を敷きます。

隔砂陣、名前だけでもなんだかスゴそうな雰囲気です。

砂を緩衝材とするように、兵を柔軟に配置して、攻撃を受け流す陣形でしょうか。

趙峩龍の兵士達は練度も高く、大将の命令に一糸乱れぬ動きを見せています。

尭雲は元三大天・藺相如《りんしょうじょ》の「剣」でしたが、趙峩龍は藺相如の「盾」だったことが明らかになります。

趙三大天の「鉄壁の守り」を担っていたのが趙峩龍だったのです。

そんな趙最強の防陣を、力業だけ抜けるか、かなり際どいところだと思います。

しかし、馬南慈が王翦直伝の亜光の防陣を突破したように、かならずどこかにスキができるはずです。

ただ、北方の異民族・匈奴と長年渡り合ってきた馬南慈は経験値がありましたが、信や河了貂はまだ若すぎます。

信は藺相如の剣である尭雲と同等に渡り合い、六将・王騎の矛を託された男で、後の大将軍となることを嘱望されています。

趙の最強の盾と趙の最強の剣と匹敵する力を持つ信がぶつかるとどうなるのでしょうか。

最強の矛と最強の盾、そのまま『韓非子』に出てくる「矛盾」の故事成語の展開です。

確か、『聖闘士星矢』でも紫龍と戦うとき、同じような最強同士の激突があり、そのときは盾も矛もどちらとも破壊されてしまいました。

信と趙峩龍の戦いはどうなるでしょう。

経験で勝る趙峩龍と、勢いに秀でる信、どちらも甲乙付けがたい名将です。

いみじくも趙峩龍が「戦いは流れ」と言っているように、もはや人智の及ばぬ運命というか、バタフライエフェクトのように戦機はゆらいでいます。

悩む松左、飛信隊新兵の部下を助けるか否か

河了貂から、「助けるべき兵は助け、助からなそうな部下は見捨ててくれ」と苦渋の決断を迫られた松左。

淡々とそのトリアージにも似た選別を行い、疲弊しています。やはり助けられないと分かっていても、助けたくなるのが人情というものです。

新人が趙峩龍軍に囲まれ、殺されそうになっているときに、新兵「干斗《かんと》」のことが頭に浮かび、思わず助けに行ってしまうことに。

松左のこの動きはすごく飛信隊らしいと言えるでしょう。

人道としても正しいことですが、戦場の大局を見ると、この行動で飛信隊の攻守のバランスがくずれてしまうかもしれません。

非情になりきれなかった松左、この行動が吉と出るか凶と出るか、まだ未知数です。

『キングダム』592話 飛信隊は趙峩龍の防陣を破れるか 展開予想

592話「死に場所」の考察と感想(ネタバレ有レビュー)はこちらを見てください。

信は趙峩龍を抜くことができるのでしょうか。

今のところ、河了貂の作戦は上手くいっているように見えます。

趙峩龍も河了貂のこの戦略には気づいておらず、飛信隊の力を過小評価したうえで防陣を張っています。

この相手の少しの油断を突いた河了貂のねらいは上手くいきそうな感じではあります。

ただ、不安要素として考えられるのが、王賁を欠いた玉鳳隊です。

玉鳳隊を率いている番陽が、気負いすぎてかなり危ういです。

王賁(若)の仇である尭雲を見たら、さらに平静さを失ってしまいそうです。

また、兵力数で劣る亜光軍が押し下げられる可能性もあります。

攻め偏重でノーガード戦法で行っている飛信隊が横から突かれるようなことがあれば、ひとたまりもなくやられてしまいます。

ここは要所要所で超ファインプレーを見せる亜花錦の動きに期待するしかないでしょう。

普段の社会生活の中にああいう死をも恐れぬサイコパス的人物がいたら、かなり大変そうですが、戦場では頼もしいです。

591話は秦軍右翼の話題ばかりでしたが、中央軍の動きも気になるところです。

やはり王翦も右翼の戦況が一段落つかなければ、動けないのでしょうか。

李牧《りぼく》は趙軍左翼が勝つことをうたがってないので、余裕綽々で構えていますし。

鄴の食料庫を焼くのに成功した報が入れば、王翦が一気に攻め入る可能性が高いですが、当時の通信手段ではまだまだ時間がかかりそうです。

中国に住んでいたことがありますが、都市間移動は本当に大変でした。

蒙恬が担う秦軍左翼はまだ膠着状態でしょうし、次回も飛信隊に焦点が当てられそうです。

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