進撃の巨人

進撃の巨人 108話「正論」考察 感想 ヒストリアの結婚相手は?エレンの真意とライナーの決意

『進撃の巨人』がついに完結しました。最終34巻の考察と34巻を無料で読む方法はこちらを見てください。

諫山創『進撃の巨人 第34巻』 (週刊少年マガジンコミックス) 表紙画像


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AmazonのKindleで2018年8月9日(木)発売の『別冊少年マガジン 9月号』(電子版・kindle版)を買って、諫山創『進撃の巨人』108話「正論」を読みました。
以下ネタバレありの考察と感想(レビュー)なので、未読の方はご注意ください。

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107話ではヒストリアが妊娠しているという衝撃の展開でしたが、108話では相手が誰か判明します。

ヒストリアの結婚相手と憲兵団の企みとは?

107話ではエルディア復権派の義勇兵がピクシス司令によって拘束されました。

憲兵団の兵士達がそのことについて話しています。

ナイルは「ここまで我々に尽くしてくれた義勇兵に遺恨を残すのは、、」と申し訳なさそうにしています。

しかしローグは「マーレ人に同情か?」と意に介しません。

ローグはマーレ人の作る酒は美味いし、マーレがもたらした恩恵は計り知れないと言いつつも義勇兵のボスがジークである以上、野放しにはできないと言います。

ジークは「獣の巨人」として4年前にパラディ島で虐殺の限りをつくしたので、信用されないのは当然でしょう。

ローグは「ユミルの民」である自分たちがエレンとジーク「始祖の巨人」の力で記憶をいじられてしまうことを気味悪がっています。

これも当然の反応ですね。記憶をいじられてしまえば、もはやそれは自分ではなく、今の自分は事実上死んでしまうのと同じですから。

ナイルは義勇兵を人質にしたところでジークはパラディ島側の言うことを聞くかどうか疑問に思っています。

自分の親を売り渡すほどの極度の合理主義をもつジークですから、自らの信奉者を切り捨てることも躊躇しないと思います。

ここで、ローグは

俺たちの提議通りにジークは島に着くなり
巨人にしたヒストリア女王に食わせるべきだったんだ

と衝撃的なことを明かします。

まぁジークを捕食してしまえば安全かもしれませんが、ジークの思想まで継承してしまう危険性もありそうです。

ヒストリア女王の相手は「誰の息もかかっていない相手」で調査済みであるとのこと。

その相手とは

  • ヒストリア女王と同じ地で生まれ育った青年
  • 幼少期は牧場から出てこない女王に石を投げていた
  • ヒストリアにかまってほしかった
  • 罪滅ぼしのため、女王が運営する孤児院を手伝っていた
  • 黙々と下働きをする男に女王が気づいた

であるとのこと。

ヒストリアと結婚相手:『進撃の巨人』108話「正論」より引用

ヒストリアと結婚相手:『進撃の巨人』108話「正論」より引用

ローグは相手が誰かと言うことよりも、懐妊のタイミングに疑問を持っています。

ヒストリア女王がこの時期に王家の血を引く子を身ごもったことで、ヒストリアにジークを食わせるという提議が流れたのは、イェレナが「兵団は即刻ジークを女王に食わせるつもり」ということを教えたからだと勘ぐっています。

ヒストリア女王が妊娠したために、捕食されるはずだったジークが命拾いしたので、ローグの勘ぐりももっともですね。

妊娠したまま巨人になったら、王家の血を引くお腹の子は死んでしまうだろうし、妊娠中の女王の身に何かあってはこまります。

だからナイルは静観すべきといいますが、ローグは「正論で国が滅ぶ」と言い捨てます。

前回サシャの死を悼んでいたニコロが死んだ目をして憲兵団の給仕をしています。

コニーの怒りとミカサの弁明とは?

マーレから帰ってきたアルミン、ミカサ、ジャン、コニーがピクシス司令の義勇兵軟禁事件に驚いています。

アルミン達はピクシス司令の強硬策を知らなかったようです。調査兵団はあまりにも義勇兵と関係が近くなりすぎていたため、ピクシスの計画が漏れてしまうことを恐れていたのでしょう

それよりも、アルミン達は単独でジークと接触し、突然ジークの計画に乗ったエレンに不信感を持ってしまっています。

コニーは

アレがエレンに見えたか?

と三人に問います。そして

俺は違うと思う あいつはエレンじゃない

と言い捨てます。

そして、もしエレンが自分たちより腹違いの兄貴の側に付くことがあるなら、エレンをを切る覚悟をしておく必要があると話します。

エレンを愛するミカサが

そんなこと私がさせない

というと、コニーは

お前もそっちに付くのかよミカサ

と恐ろしい顔をします。

ミカサとコニー:『進撃の巨人』108話「正論」より引用

ミカサとコニー:『進撃の巨人』108話「正論」より引用

つねに調査兵団のムードメーカーであったコニーがこんな恐ろしい顔をするとは。母を巨人にされ、親友のサシャを失い、行き場の無い怒りが渦巻いている感じです。

ミカサは

そんなことにはならない
エレンは誰よりも私たちを思っている

と言い、1年前の回想に入ります。

1年前のエレンの考えと世界との認識の差異とは?

エレン達はマーレの技術を受け入れて、鉄道の線路を敷いています。

身体も鍛えられるし島の開発も進むということで、肉体労働をしています。

この頃、パラディ島はヒィズル国を介して世界との対話を図ろうとしていました。

友好国を増やして国交を結べば、破壊的な「地鳴らし」に頼らなくてもいいし、ヒストリアが辛い目に遭わなくて済むからです。

エルディア人の人権を訴える団体もあるけど、トンデモ団体と見なされているようです。

パラディ島に豊富に存在する「氷爆石《ひょうばくせき》」等の資源を売るという話も出しています。

ヒィズルからの回答をハンジとリヴァイが伝えに来ました。

結果、アズマビトからの返事は「ダメだった」という残念なものに。

ヒィズル国はパラディ島の資源を独占取引したいため、他国の貿易に協力しません。

107話のキヨミの姿を見ていても、ヒィズル国はあくまでも自国の利益のために「パラディ島」に接近しているとみるべきでしょう。ミカサが将軍の血を引いていいるからというのもあくまで建前なのです。

また、世界はパラディ島が災いの種であり続けることを望んでいて、パラディ島を仮想敵とすることで世界は団結し、安定化しているということもあるようです。

日本を仮想敵国として「反日」で一致団結している国がお隣にありますね。イスラム国とかにも言えることで、仮想敵は「悪」でなければならないのです。

結果、パラディ島は「地鳴らし」に頼るしかなくてヒストリアの犠牲は避けられないことになっています。

ヒィズル国は「地鳴らし」を頼りに軍事同盟を結ぶことを条約に入れていて、現代の核兵器なみの力を自らの陣営につけたいという打算も見られます。

アルミンは「100年前に先祖がやった悪行」がパラディ島に期待されていることを嘆き、悪魔と決めつけられ、平和を願わない世界に落胆しています。

ハンジは「アズマビトを頼りに海外を探ろうと結果は変わらない」と看破し、

会いに行こう
分からないものがあれば理解しに行けばいい
それが調査兵団だろ?

とカッコいいセリフを言います。

ハンジ:『進撃の巨人』108話「正論」より引用

ハンジ:『進撃の巨人』108話「正論」より引用

そして、マーレに拠点を設けて潜入することとなります。

明るい展望は見えてきましたが、ジークは巨人化の制約によりあと2年しか寿命がありません。

エレンは約5年、世界を説得するには時間が少なすぎます。

そのためエレンは自分の「進撃の巨人」の継承者も考えなければならないといいます。

ミカサは躊躇なく、自分が引き継ぐと言いますが、東洋人を血を引くミカサが巨人になれるかどうかも怪しいし、ヒィズルとの外交関係もあるから難しいと言われます。

巨人を引き継ぐと、記憶も引き継ぐことになりますし、究極の一体化と言えます。エレン大好きなミカサが躊躇なく立候補したのも分かります。

ジャン、コニー、サシャも自分が継承者になると言いますが、エレンは

オレはお前らに継承させるつもりは無い
お前らが大事だからだ
他の誰よりも…
だから…
長生きしてほしい

と感動的なセリフを言います。

エレン:『進撃の巨人』108話「正論」より引用

エレン:『進撃の巨人』108話「正論」より引用

すると、みんなは微妙な空気になってしまいます。

エレンは照れて真っ赤になり、みんなも赤くなってしまいます。

感動的な場面となると思いきや、ギャグっぽくなるとは。諫山創先生はちょくちょくこういうの挟んできますね。いつも単行本の巻末に付いているような日常系ゆるふわギャグ漫画を描いてみたいという指向があるのかも。

コニーの怒りの原因と、アルミンの決意とは?

1年前の回想から、ミカサは「エレンは私達のことを思っている」と確信しています。

あくまでもパラディ島の仲間達が第一で、外部に対してのみ攻撃的なんだと納得しています。

しかし、アルミンに軍港を破壊させるように仕向けたり、ミカサを戦場に呼びつけたこと、サシャが死んでしまったことから、やはりエレンは変わってしまったという意見が大勢です。

特にコニーはサシャが死んだとき、エレンが笑っていたことを今でも許せないと考えています。

アルミンはミカサを交えてエレンと三人で話し合おうとしていると言います。

アルミンもコニー達と同じように、エレンを信じられていないことは106話でも分かりますね。

106話「義勇兵」のネタバレ考察はこちらを見てください。

アルミンは、ジークはエレンの「始祖の力」を発動させる触媒でしか無く、ジークが何かを企んでいてもエレンが望まない限り叶わないと分析しています。

そのため、エレンの目的が皆と同じであれば、心配することは無いと考えていますが、もしジークとエレンが完全に結託するようなことがあれば、エレンの「始祖の巨人」の力を強制的に他の誰かに継承させることも考えています。

エレンは牢につながれ、ジークはリヴァイに見張られて森でキャンプ生活です。

この二人の間でどのようなやりとりがあったのかは、今後明らかにされるでしょう。

エレンはあれほど「獣の巨人」ジークを憎んでいたのに、なぜこれほど親和的な態度を取るのか、重大な秘密が隠れていそうです。

ファルコとガビの動向は?

監獄から逃げ出したファルコとガビ、ガビはレベリオ収容区でつけていた腕章を外そうとしません。

もともとは負のイメージがつきまとう腕章ですが、もはやガビのアイデンティティとなっています。

ガビはとにかく裏切ったジークを見つけて問いただしたいと思う一心で動いています。

ファルコがガビの腕章を取り、争っていると地元のパラディ島人の女の子に見つかってしまいます。

ファルコとガビは家出した子供という設定にし、もしも怪しまれば相手を殺すつもりでいます。

しかし、女の子はお腹すいたでしょ、ご飯食べに来たらと言って、二人はとりあえず安堵します。

パラディ島の人を悪魔と信じ込んでいるガビも、この女子との交流で考え方が変わってしまうかもしれません。そうなるとガビを支えていたアイデンティティが崩壊してしまうかも。

ライナーの決意、パラディ島への奇襲攻撃敢行か?

マーレではマガトと

  • ピーク
  • ガリアード
  • ライナー
  • コルト

が会議を開いています。

裏切ったジークの代わりに、「獣の巨人」継承候補だったコルトが入っています。コルトはパラディ島に行ってしまったファルコの兄です。

マガトは「獣の巨人」の死骸を調べた結果、ジークの両腕両足だけしか残されていないことから、ジークがマーレを欺いてパラディ島敵勢力と組み、飛行船で逃げたと確定します。

対人型に改良された立体機動装置もマーレの技術がそうとう入っています。

ピークのイェレナに関する記憶から、4年前のパラディ島調査船で義勇軍が乗り込んだことを正確につかんでいます。

ガリアードはジークの裏切りにショックを隠せないようです。ピークとライナーはそれほどショックを受けていないようですが。

現場に居合わせた諸外国の要人と新聞各社を通じて、エレンが引き起こした惨劇は世界中に伝えられました。

結果、マーレと主要国すべてによる巨大軍事同盟が結ばれ、ヴィリー・タイバーが世界に求めたとおりになりました。

半年以内にパラディ島に世界連合軍による焦土作戦が行われると決定されます。

「連合軍」というと、どうしても第二次世界大戦の「連合国」を連想してしまいます。ヒィズル国は日本がモチーフで枢軸国ですしね。

ファルコの兄・コルトは「ファルコとガビの救出」も半年後なので、どうなるのかと焦っています。

ライナーはジークが半年後の総攻撃を予見しているとみて、ジークはこの時間に何かを企てていると考えています。

ライナーはジークの意図をくじくために世界連合軍の集結を待たず、パラディ島を奇襲すべきと進言します。

ライナー:『進撃の巨人』108話「正論」より引用

ライナー:『進撃の巨人』108話「正論」より引用

エレンとの戦いでは弱気となっていたライナーですが、裏切り者のジークを相手に戦意と生きる意志が回復したようです。

『進撃の巨人』108話「正論」まとめ

108話「正論」を簡単にまとめると

  • ヒストリアはジークの「獣の巨人」を継承させられそうだった
  • ヒストリアは孤児院に勤める青年との間に子供を作った
  • コニーはエレンはかわってしまったと考えている
  • ミカサは1年前の回想から、エレンを信じている
  • アルミンはまだ迷っていて、エレンと話し合うつもりである
  • ファルコとガビはパラディ島の女子に会い食事に誘われる
  • マーレではライナーが「パラディ島奇襲作戦」を進言

となります。

109話「導く者」のネタバレ考察はこちらを見てください。

2018年8月9日(木)発売の『進撃の巨人 26巻』収録の103話から106話の内容を考察した記事はこちらを見てください。無料で合法的に読める方法もご紹介しています。


『進撃の巨人』がついに完結しました。最終34巻の考察と34巻を無料で読む方法はこちらを見てください。

諫山創『進撃の巨人 第34巻』 (週刊少年マガジンコミックス) 表紙画像

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